患者さんが経口抗がん剤による治療を安全・確実に続けるためには、まずは看護師が副作用をきちんと理解する必要があります。第4回では、スチバーガ®を中心に、大腸がんで使用される経口抗がん剤の副作用について概説します。
経口抗がん剤の副作用は薬剤によって異なります
経口抗がん剤にも、注射抗がん剤と同様の副作用があります。経口抗がん剤は長期間服用することも多いため、注射薬に比べて、副作用が慢性症状としてあらわれやすいといわれています。
抗がん剤の主な副作用として、血液毒性(血小板減少や貧血など)、消化器毒性(食思不振や悪心・嘔吐など)、皮膚・粘膜毒性(発疹や口内炎など)などが挙げられます(表1)1)。
ただし、発現する副作用は薬剤ごとに異なります。特に分子標的治療薬では、標的とする分子特有の特徴的な副作用があらわれるため、薬剤ごとに副作用を確認することが重要です。
また、副作用は、症状によって発現する時期や頻度に傾向があります。いつ、どのような副作用が発現しやすいのか、大まかに理解しておくことも大切です。

表1 経口抗がん剤により起こりうる一般的な副作用
スチバーガ®の副作用とその発現時期は?
大腸がんの治療に用いられる主な経口抗がん剤は、テガフール・ウラシル配合剤(ユーエフティ®)、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(ティーエスワン®)、カペシタビン(ゼローダ®)、レゴラフェニブ(スチバーガ®)の4種類ですが、ここでは、分子標的治療薬であるスチバーガ®の副作用について見てみましょう。
スチバーガ®の主な副作用は、手足症候群、発疹、高血圧、下痢、発声障害、食欲減退、疲労などです。このほかに、頻度は高くはないが注意が必要な副作用として、肝機能障害、出血、間質性肺疾患、消化管穿孔、可逆性後白質脳症、血栓塞栓症、中毒性表皮壊死融解症などの重篤な皮膚障害、血小板減少などが報告されています(表2)。

表2 スチバーガ®の主な副作用
スチバーガ®の主な副作用は、治療早期に発現しやすく、1サイクル目に頻度および重症度がピークとなることも多いとされています。特に、頻度は高くないが注意すべき副作用である肝機能障害は投与開始7日以内でも発現することが報告されています。(図1)。

図1 スチバーガ®の主な副作用の発現時期
次のページでは患者さんへ副作用を説明する際のポイントについて解説します。
患者さんへ副作用を説明する際のポイント
患者さんへ副作用について説明する際には、まず、服用前に「どのような副作用がいつごろあらわれる可能性がある」ということを説明し、さらに、副作用が起こった場合の対処法や連絡方法を伝えます。また、副作用が起こった日時や状況、副作用の程度は、「服用ダイアリー」などを活用して記録してもらうとよいでしょう。
副作用があらわれた場合は、その程度(グレード)に応じて薬剤を減量、休薬または投与を中止します。患者さんの中には、休薬することでがんが進行してしまうのではないかと不安を感じる方も少なくありません。そのような患者さんに対しては、服用を続けることでより重篤な副作用が出てしまい、さらに休薬の期間が延びてしまう可能性があること、症状が改善すればすみやかに治療が再開できることを伝え、安心してもらいながら治療を適切に続けてもらうことが大切です。
参考文献
1) 飯野京子、森文子編:安全・確実・安楽な がん化学療法ナーシングマニュアル.2009
(提供:バイエル薬品株式会社)
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