
佐藤美穂子
解説者の記事一覧第5~6回では、手足症候群の症状やセルフケアの指導法について紹介してきました。手足症候群は症状が発現したとしても、適切に対処することによって、スチバーガ®の治療を継続することができます。第7回では、手足症候群が生じたときに医療者が行う対処法についてご紹介します。
手足症候群のグレードに応じて対症療法を行い、場合によってはスチバーガ®の減量、休薬または投与中止を考慮します
手足症候群があらわれた場合にはその重症度(グレード)を評価し、グレードに応じて対症療法を行うとともに、スチバーガ®の減量、休薬、または投与中止を検討します。手足症候群の程度は、表1のようにグレード1~3で定義されています。

表1 手足症候群のグレード(CTCAE Ver.4.0より抜粋)
手足症候群に対して早期から適切な対処を行うためには、患者さんによる自己申告が大切になります。そのため、グレードに応じた連絡方法を投薬開始までにお知らせしておきましょう。また、減量や休薬の判断は患者さんの自己判断では困難なので、医師の診察が必要であることを伝える必要もあります。
症状が発現した場合の連絡方法【グレード別】
- ●グレード1・・・次回の診察時に医師に知らせてください。 (次回の診察時までに患者さんが行う必要がある対症療法についても指導しておく)
- ●グレード2・・・スチバーガ®の減量が必要になるため、速やかに医師に連絡してください。
- ●グレード3・・・スチバーガ®の休薬が必要になるため、速やかに医師に連絡してください。
それでは、スチバーガ®の手足症候群に対する用量調節の方法を確認していきましょう(図1)。
グレード1の場合は、そのままスチバーガ®の投与を継続しながら、対症療法を直ちに行います。
グレード2の症状があらわれた場合には、1回目であれば投与量を40mg(1錠)減量して投与し、対症療法を行います。2~3回目であれば、グレード0~1になるまでスチバーガ®を休薬、4回目であれば投与を中止します。
グレード3の症状があらわれた場合は、1~2回目であれば対症療法を直ちに行い、グレード0~1に軽快するまで少なくとも7日間休薬します。休薬後にスチバーガ®の投与を再開するときは、休薬前の投与量から40mg(1錠)減量した用量で始めます。グレード3の症状が3回目であれば、スチバーガ®の投与を中止します。

図1 手足症候群に関する用量調節基準
手足症候群の対症療法には、程度に合わせてステロイド軟膏や尿素配合剤などが用いられます
スチバーガ®による手足症候群の治療法は確立していませんが、ここでは1つの例として国立がん研究センター東病院における手足症候群の対症療法をご紹介します(図2)1)。
まず、グレード1では、very strongクラスのステロイド軟膏を使用します。
グレード2においてはstrongestクラスのステロイド軟膏を使用し、症状がよくなればステロイドのクラスを下げていきます。
グレード3では、尿素配合剤やステロイド軟膏を使用し症状の改善を促します。その際、亀裂が生じているような箇所では尿素配合剤の塗布はしみることがあるため、ワセリンを厚く塗ってラップで保護をするなどの工夫が行われています。

図2.国立がん研究センター東病院における手足症候群への対応
患者さんへの指導のポイント~「服用ダイアリー手帳」の活用
スチバーガ®は、大腸がんにおける最後の治療選択肢であることから、患者さんは減量や休薬に不安を感じ、手足症候群の症状を我慢してしまうことがあるかもしれません。しかし、早期に対処するほうがスチバーガ®の治療を継続でき、休薬したとしても速やかに再開できることを十分に説明しましょう。
また、手足症候群の症状の確認には「スチバーガ®服用ダイアリー手帳」(図3)を活用するとよいでしょう。服用ダイアリーの右側のページには、手足症候群があらわれた日にちと部位、症状が記入できるイラストがあります。診察時には患者さんが記入したこれらの情報をもとに、症状の把握や対処法の指導を行い、患者さんが治療を継続できるようサポートしていきましょう。

図3 スチバーガ®服用ダイアリー手帳
「スチバーガ®服用ダイアリー手帳」は、下記ホームページよりダウンロードできます。医療従事者だけでなく、患者さんがダウンロードすることも可能です。
https://betterl.bayer.jp/stivarga/support/patient_materials
冊子体でのお取り寄せは、バイエル薬品株式会社のMRまでご連絡ください。
【参考文献】
1) 設楽紘平、山﨑直也監修:大腸癌に対するレゴラフェニブ チームレゴラフェニブ -国立がん研究センター東病院のチーム医療-. 2013
\ この記事をシェアする /










