
比較的軽症の皮膚障害がみられる
免疫チェックポイント阻害薬による皮膚障害は、高頻度で、比較的軽症のものが多い傾向があります。よくみられるのは播種状紅斑丘疹型、尋常性乾癬、扁平苔癬で、重症のものには多型紅斑や水疱性類天疱瘡があります(表)。これらの皮膚障害は、免疫反応が過剰になることで生じています。
表 免疫チェックポイント阻害薬で起こる皮膚障害の主な症状
| 疾患名 | 主な症状 |
|---|---|
| 播種状紅斑丘疹型 | 紅斑や丘疹がみられる。薬疹の大半がこれにあたる |
| 尋常性乾癬 | 赤みやかゆみがみられ、紅斑や発疹ができたあと、 その部分が乾燥し角質が剥がれ落ちる |
| 扁平苔癬 | 赤や紫紅色の発疹ができる。発症部位は、口腔、四肢、陰部など |
| 多型紅斑 | 紅斑が環状に広がっていく。発症部位は、四肢、顔、手のひら、足の裏など |
| 水疱性類天疱瘡 | 掻痒を伴う紅斑や水疱ができる。全身のさまざまな部位にできる |
播種状紅斑丘疹型は身体のどこにでもできますが、関節部や四肢に現れやすい傾向があります。尋常性乾癬は、特に下肢に多く、前腕や手背など紫外線を浴びるところにも出現しやすいようです。
湿疹のようなものがみられた場合、それが免疫チェックポイント阻害薬の影響でirAE(免疫関連有害事象)として出現しているのか、ほかの薬剤によるものか、またはごく普通の湿疹なのか、わからないことも少なくありません。基本的に免疫チェックポイント阻害薬では薬疹が出やすいことと、いずれにせよ治療は副腎皮質ステロイド薬の外用か内服であることから、なんらかの皮膚症状が現れたら薬疹と考えて対処するとよいでしょう。免疫チェックポイント阻害薬による薬疹では、ほかの薬疹よりも早くからステロイドを使ったほうがよいので、皮膚症状が出始めたら様子をみるのではなく、CTCAE v5.0 グレードが1や2でも、できるだけ早く皮膚科を受診します。範囲が広い場合や、症状が広がりつつある場合、陰部にみられる場合、QOLを下げるような症状がある場合には、早急に皮膚科医の診察が必要です。
ケアのポイント
免疫チェックポイント阻害薬による皮膚障害でも、予防のため保湿と保清をしっかり行うことが基本です。症状が出現したら、保湿を続けつつ、ステロイドの外用薬や内服薬を使用します。少し赤くなっていたり、ブツブツとした皮疹がみられたら、患部にステロイドを塗ります。1日で急速に症状が進むことがあるため、発見したらすぐに対処し、酷くなる前に治療開始できるようにしましょう。
陰部に発症すると痛みが強くなるため、範囲が狭くてもすぐに治療を開始したほうがよいです。患者さんからはなかなか言い出せない部位であることから、「最近、気になっていることはないですか?」「何か急に新しくブツブツが出始めたところはありませんか?」といった声がけを行い、患者さんが話し出せるよう援助しましょう。
Q&A 読者の質問に答える! がん治療によって起こる皮膚障害へのケア
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