中心静脈カテーテルは、患者さんにとって侵襲の高いものです。
感染症などのリスクも高いため、感染予防に配慮して管理する必要があります。
このケアのリスキーポイント
末梢からの輸液ルートの確保ができない場合、あるいは、集中治療を必要とする重症患者さんの全身管理、経口・経腸栄養ができない患者さんへの高比重・高浸透圧・高カロリーの栄養剤の投与、抗がん剤の投与などを目的に留置されるのが、中心静脈カテーテルです。
挿入は医師がマキシマル・バリアプリコーション(高度無菌遮断予防策)の下に行いますが、だからといって医師任せではいけません。
患者さんにとっては、身体的侵襲を伴い、循環・呼吸機能に対するリスクが高いことから、スムーズな介助のための手順や注意点についての看護師の理解が重要になります。
中心静脈輸液療法においても、感染症などの合併症が重篤で致命的なリスクとなるため、管理する看護師には十分な配慮が求められます。
特に、カテーテル挿入時には、無菌的操作の遂行や適切な体位の保持、固定部位や患者さんの全身状態の観察がポイントです。
また輸液療法実施時には、長期にわたりカテーテルが直接大血管に留置されるため、感染予防には最も注意を払わなければなりません。
ケア1 刺入前に患者さんの下肢を挙上させる
穿刺部位を消毒する前に、必要に応じて患者さんの下肢をわずかに挙上させます。
これは、下肢を挙上させることによって、鎖骨下・頸動脈の怒張を図り、穿刺しやすい状態にするためです。
また、血管を怒張させることには、穿刺時に空気が流入するのを防ぐ効果もあります。
穿刺の際には、患者さんが不快感を感じて身体を動かさないよう、声を掛けることが重要。患者さんが楽に保てる安定した体位に整えることも大切です。
ケア2 カテコラミン使用時には、投与輸液量と同比の輸液でルート内を満たしてから交換する
急性心不全や手術後の治療等のためにカテコラミン製剤を使用している患者さんの場合、投与量には十分に注意し、血中濃度を保つことが必要です。
投与の中断が長くなると心拍出量や血圧に影響を与えてしまうため、ルート交換の際にも注意が求められます。
まずは、新たなルートを投与している輸液と同比の輸液で満たし、使用中の輸液ルートをクランプします。
そして、患者さんから一番近い接続部を外し、新しいルートを接続、使用済みのルートをボトルから外すという手順で交換を行います。
ケア3 ルート交換は週に2回程度 刺入部の包交は週に1回程度行う
感染を防止するためには、なるべく挿入部位を開放しないことが基本です。
頻回なルート交換は感染リスクを高めることになってしまいます。
交換頻度ごとにルート内の細菌混入率を比較した研究によると、4日間まではほとんど数字が変わらないという結果が報告されており、ルート交換は1週間に2回程度、包交は1週間に1回程度の実施が推奨されることが多くなっています。
ただし、ルートの損傷や閉塞、固定部のはがれや汚れが確認された場合は、定期交換時まで待たずに直ちに交換を行います。
交換を行うときには、事前に十分な手洗い、または速乾式消毒剤による擦り込み消毒を行うことを徹底します。
ケア4 穿刺部位によって感染リスクが違うことを理解して介助する
中心静脈カテーテルの穿刺部位としては、内頸静脈、鎖骨下静脈、大腿静脈がありますが、部位によって感染のリスクに違いがあることを覚えておかなければなりません。
基本的には患者さんの容態などを考慮して選択されますが、感染発症率が最も低い右鎖骨下静脈が第一選択となり、次いで内頸静脈となります。
大腿静脈に関しては感染リスクが高く、血栓形成の可能性もあることから、長期留置には適さないとされています。
次回は輸液管理の根拠について解説します。
(『ナース専科マガジン』2011年8月号より転載)
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