
佐藤美穂子
解説者の記事一覧発疹はスチバーガ®でよくみられる副作用の1つですが、多くの場合症状は軽く一過性です。まれに多形紅斑などの重篤な皮膚障害があらわれることがあり、発疹との鑑別が必要になります。第10回では、スチバーガ®による発疹の特徴や予防法、重篤な皮膚障害の症状について概説します。
発疹は、スチバーガ®でよくみられる皮膚症状です
スチバーガ®の副作用として顔面、頭皮、体幹などに発疹があらわれることがあり、かゆみや灼熱感、ピリピリした感覚を伴います(図1)。

図1 典型的な発疹の例
患者さんに発疹の症状を説明する場合や、症状が出ていないか確認する場合には、表1のように具体的でわかりやすい言葉を用いることがポイントです。

表1 発疹の症状の伝え方
発疹はスチバーガ®投与開始後1ヵ月以内の発現頻度が高い傾向にあります
大腸がんの国際共同第Ⅲ相臨床試験において、スチバーガ®を投与された日本人患者での発疹※の発現率は36.9%で、グレード3は3.1%に認められたと報告されています1)。
発疹が発現する時期は、スチバーガ®の投与開始後1ヵ月(1サイクル)以内に多く認められる傾向があります(図2)。
※ MedDRA Ver.14.1

図2 スチバーガ®による発疹の発現時期
発疹予防のポイントは「保清」「保湿」「刺激除去」
発疹は皮膚の乾燥や強い刺激により症状が起こりやすくなるため、普段から皮膚を清潔に保ち、保湿と刺激除去を心がけることがポイントです。
皮膚を清潔に保つポイントとして、洗浄剤をしっかりと泡立てて、スポンジやタオルを使う場合は柔らかい素材のものを用いてやさしく洗い、洗浄後は柔らかいガーゼやタオルで押さえるように水分を拭きとるよう指導しましょう。洗浄剤は、刺激を避けるため、「弱酸性」「ノンアルコール」「低刺激」などの表示があるものをできるだけ選ぶよう指導します。
保湿や刺激除去のポイントについては、手足症候群の予防法で応用できますので、第6回の内容をもう一度確認しましょう(→第6回)。
患者さんへの説明のポイント
スチバーガ®の発疹の多くは症状が軽く一過性です。スチバーガ®投与開始後に、発疹が出たことに不安を感じている患者さんに対しては、対症療法(ステロイド外用薬、抗ヒスタミン薬の内服など)やスチバーガ®の用量調節で症状が改善することを説明して、安心させましょう。
しかし、重篤な皮膚障害として中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑があらわれることがあります。これらの皮膚障害の頻度は高くありませんが、重篤化すると命に関わる恐れがあり、症状が認められた場合にはスチバーガ®の投与を中止し、適切な処置を行う必要があります。
そのため患者さんには、発疹の症状に加えて、これらの症状(表2)をあらかじめ十分に説明し、重篤な皮膚障害が疑われる症状があらわれたら直ちに病院へ連絡するよう指導しましょう。

表2 重篤な皮膚障害の症状
【参考文献】
1)山田康秀:日本臨床腫瘍学会. O2-035, 2013
(提供:バイエル薬品株式会社)
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