
「出勤するのが怖い・・・」そう感じてしまったことは、ありませんか?希望に満ちあふれていた春が過ぎ、日々の業務による疲れもたまっていく中「職場へ行きたくない」という気持ちが積み重なり、「怖い」という形で現れてしまうことがあるのです。そこで今回は、その「怖さ」へ打ち勝つ方法を考えてみましょう。

なぜ、出勤するのが怖くなる?
日が経つにつれ、どんどん「怖い」という感情が出てきてしまう理由として、以下があげられます。
ケース1 「人の命を扱っている」という怖さ
学生の頃に実習で受け持つ患者さんは、容態も比較的安定していて、急変を起こす割合はとても低い方がほとんどです。学生時代は、そうした患者さんを相手に、指導者や先生方の見守りの元、制限された一部の看護技術を提供します。
しかし新人として働き始めると、容態が安定していない方も受け持ちになり、見守りもなく、自分一人で責任をもって行動しなければならない場面が圧倒的に増えます。そうした場面に対し「自分一人で人の命を扱っている」という重圧が恐怖となり、襲いかかってきてしまいます。
ケース2 「またミスしたらどうしよう」という怖さ
人間は誰しもミスを犯すものです。しかし看護師の職場では、ミスによって人の命が脅かされてしまうリスクがあるため「ミスは許されないもの」と考えられます。思わぬミスをした結果、先輩ナースから厳しく叱責され、余計に落ち込んでしまった経験がある人も多いのではないでしょうか?その結果、余計に「またミスしたらどうしよう」という思いに囚われ、出勤することがだんだん怖くなってしまうことがあります。
ケース3 心身ともに疲れてしまった結果
新人ナースの場合、周囲にいるのは先輩ナースだらけです。同期同士で会話する機会も少ない中、常に自分よりも目上の人に囲まれ、患者さんからはさまざまなことを求められるため、新人ナースは常に緊張している状態になります。緊張し続けることで心身ともに疲労し、身体が自分自身を守ろうとして「仕事が怖い」という感情が加速してしまうことがあります。
「怖さ」に打ち勝つための対策とは?
怖さを解消するためにできることは何でしょうか?その解決策を考えてみましょう。

怖いと感じてしまうことについて、否定しない
自分が、出勤を怖いと感じていることを、ダメなこと、良くないことだと思ってしまっていませんか?
でも・・・例えば連休終盤に「明日からの仕事かー行きたくないなー」と言っている人、普通にいます。あなたのように「怖い」とまではいかなくとも、社会人のほとんどが「行きたくないな」「あぁ、今日も仕事か」と思いながら仕事をしている、と思うと、少しは気分が楽になるかと思います。
大丈夫です、あなたの隣で仕事をしている先輩も、実は「あぁ、今日も出勤かぁ」とため息をつきながら職場へ来ているはずです。
なぜ自分が「怖い」と感じるのか、紙に書いて整理してみよう
自分が怖いと感じてしまう原因を、より深く探ってみることも大事です。不安の原因を探る方法としてぜひオススメしたいのが、病態図のようにつなぎ合わせて書いていく方法です。「怖い」と書いた上で、「なぜ怖いのか?」を書き広げていき、なぜ怖いと思うのか、その根本を探っていくのです。
例えば、「怖い」と思っていたことを、よく深堀してみたら、特定の先輩に強く叱責されたことが原因だったとします。それが分かれば「その先輩との勤務の時は、どう対応すれば良いのか」を考え、「事前にその先輩から強く叱責を受け、苦手意識をもっていることを師長へ伝える」などの方法をとることもできます。漠然とした「怖い」から、具体的な理由を把握することができれば、解決策を考えることができます。
怖いという気持ちを、他の人と共有しよう
先生が守ってくれた学生時代とは違い、新人ナースの場合は常に誰かが見守ってくれるわけではありません。そのため、そもそもあなたが「怖い」という気持ちと毎日戦っていることを、周囲の人は気づいていない可能性もあります。
そこで、あなたの「怖い」という思いを、直接周囲の人たちへ伝えるということも、とても大切です。「怖い」と感じているのは、先ほどお伝えしたように、自分の心身が「危険サイン」を出してくれている、ということです。
このサインを一人で抱え込んでしまうと、精神的な健康を損ねてしまい、本当に出勤できなくなってしまう可能性があります。新人時代に精神的な不調を起こしやすいのは、こうしたサインを周囲へ伝えにくいからとも言われています。誰か一人でも大丈夫です。職場の人に気持ちを伝えて、自分の味方を作っておくことが大切です。
先輩ナースもきっと「怖い」と思っていた時期があるはず!
新人ナース時代は特に、周囲の先輩ナースたちに対して「すごいなぁ」と憧れをもつ一方、「それに比べて、同じ看護師の自分は…」と落ちこんでしまいがちです。
でも、看護師になって10数年になった筆者が断言します。先輩ナースだって、誰しもがさまざまなミスや失敗をして、皆さんのように悩み、苦しみながらそれでも看護師を続けているんです。きっと憧れのあの先輩ナースも、過去には「怖い」と思いながら仕事をしていたはずです!
この記事を書いたのは
山村 真子
看護師として働きながら、ライターの仕事もしている、アラフォーママナース。看護系以外にも、育児や病気、介護など幅広い分野の執筆を行っています。時短勤務中だが、毎日定時に帰れるはずもなく、保育園の送迎はいつもギリギリなのが最近の悩み。
イラスト・k.nakano
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