職業感染対策として個人防護具を使用することは、当たり前となり、マスクや手袋、ガウンエプロンなどは身近なものとなっています。では、眼の防護具はどうでしょうか。今回は、眼からの血液・体液曝露について考えていきます。
意外と多い眼からの血液・体液曝露
看護師が行う日常業務のなかで、曝露のリスクがある場面は多々あります。
曝露のリスクがある業務
- 陰部洗浄
- 排泄物破棄
- 褥瘡処置
- 吸引
- ノロウイルスの嘔吐物の片付け
- 輸液ルート処置
- 透析処置
- フットケア
- 内視鏡業務 など
これらの業務を行う際は、感染対策として個人防護具を身につけていますが、職業感染制御研究会のJES2015「エピネット日本版B(皮膚・粘膜汚染報告書)」によると、2015年の曝露報告は1,183件ありました。その中で最も多い曝露部位として報告されているのが、眼であり、全体の57.5%を占めています。
粘膜曝露の主な発生場所で最も多いのが、病室の30%、その次が手術部の18.3%となっています。その他、外来診察室や集中治療室などでの曝露が報告されています。さらに、曝露時に着用していた個人防護具の内訳を見てみると、下記のようになっています。
曝露時に着用していた個人防護具
| 個人防護具 | 割合 |
|---|---|
| 手袋 | 70.1% |
| ガウンエプロン | 24.3% |
| マスク | 23.3% |
| 眼の防護具 | 3.7% |
| その他 | 11.2% |
このような結果から、個人防護具を着用していないところからの曝露が最も多く、病室という病棟で勤務する看護師が日常業務を行う場所での曝露が多いことがわかります。
曝露予防には確実な感染対策が必要
感染対策は個人の意識も大切ですが、感染管理担当者や医療安全担当者が取り組み、院内に浸透させていく必要があります。
前述のように血液・体液曝露は院内のあらゆる場所で発生する可能性があります。これらを防ぐためには、個人防護具の着用が不可欠であり、曝露のリスクのある業務において手袋、ガウンエプロン、マスクの着用は院内のマニュアルで義務づけられ、じっさいに着用しているのではないかと思います。それでは、眼の防護具はどうでしょうか。前述したデータからも着用されていないケースが多いようです。血液・体液曝露予防の徹底のためには、まずは、院内の眼の防護具の装着状況を把握することからはじめるとよいのかもしれません。
【関連記事】
眼の防護具の装着状況の把握方法
また、使用しやすい防護具を導入することも、遵守を促す1つの助けになるのではないでしょうか。眼の防護具というとゴーグルが思い浮かぶかもしれませんが、それ以外のものもあることを知っておきましょう。
【関連記事】
ワンタッチでサージカルマスクに装着できる眼の防護具
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院内の知識の平準化と防護具着用の意識付けも大切
院内マニュアルの整備や防護具を導入しただけでは、感染対策は万全にはなりません。スタッフ一人ひとりにしっかりと知識をもってもらうこと、意識付けをすることが大切です。
【院内教育・勉強会で使用できる動画】
・眼の血液・体液曝露の現状とその対策
・職業感染予防 眼への血液・体液曝露とその対策
【さまざまな病院の取り組みの事例を紹介】
・救命救急の事例を読む
・フットケアの事例を読む
・内視鏡業務の事例を読む
・中央材料室の業務の事例を読む
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