スチバーガ®の副作用の1つに肝機能障害があります。頻度は高くないものの、肝機能障害は重篤化すると死亡に至ることもあるので注意が必要です。第8回では、肝機能障害の症状や発現時期と頻度、対処法を学びましょう。
肝機能障害は重篤化する場合もあるため、定期的な検査が必要です
スチバーガ®を投与した場合、肝機能検査値のAST(GOT)、ALT(GPT)の著しい上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあり、頻度は低いですが、劇症肝炎、肝不全による死亡例も報告されています。
肝機能障害の症状としては、食欲不振、悪心・嘔吐、全身倦怠感、腹痛、下痢、発熱、尿濃染、眼球結膜黄染などがあります。患者さんには、これらの症状をスチバーガ®の投与前に説明し、症状があらわれたらスチバーガ®の服用を中止して、すぐに医師へ連絡するよう伝えましょう。
しかし、無症状のうちに進行することもあるため、定期的な肝機能検査が重要となってきます。大腸がんの国際共同第Ⅲ相臨床試験では、図1のように、スチバーガ®投与後最初の2サイクルにおいては週1回、その後6ヵ月までは2週間に1回の頻度での検査が設定されていました。実臨床でも定期的なモニタリングが有用ですので、患者さんには決められたスケジュールで検査を受ける必要があることをしっかりと伝えることが大切です。

図1 肝機能検査(ALT、AST、ビリルビンの検査)のスケジュール
(国際共同第Ⅲ相臨床試験)
肝機能障害の多くは、スチバーガ®投与初期に発現する傾向があります
スチバーガ®による肝機能障害の発現頻度は、添付文書によると2.7%と報告されています。肝機能障害は、スチバーガ®の投与期間にかかわらず発現する可能性がありますが、市販直後調査によるとスチバーガ®投与後2サイクルまでの比較的早期に認められる傾向があるため、投与初期からの慎重な観察が重要です(図2)。

図2 スチバーガ®による肝機能障害の発現時期
肝機能検査値異常の程度によってスチバーガ®の休薬、投与中止を判断
それでは、対処法をみていきましょう。
定期的な肝機能検査の結果をもとに、ASTまたはALTおよびビリルビン値の正常基準値上限に対する程度を算出し、スチバーガ®の用量調節を行います(図3)。スチバーガ®の休薬が必要でない場合においても、肝機能障害は重篤化することも懸念されるため、さらに頻回の検査を実施するなど慎重に対応することが大切です。

図3 肝機能検査値異常に関する用量調節基準
肝機能障害の指導のポイント
最後に、患者さんへの指導のポイントをまとめます。
まず、スチバーガ®の投与を開始する前に、重篤な肝機能障害があらわれる可能性があることを患者さんや家族に説明し、理解を得る必要があります。次に、肝機能障害の症状を具体的に説明し、症状があらわれたらスチバーガ®の服用をやめてすぐに医師へ連絡するようお伝えします。そして、スチバーガ®投与中は肝機能検査日のスケジュールをきちんと守るよう指導しましょう。
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