協賛:サンスター株式会社/主催:ナース専科
がん化学療法に伴い、高い頻度で発生する副作用である口腔粘膜炎や知覚過敏。これら口腔トラブルへのケアを学ぶ「明日から実践! がん化学療法時の口腔ケア」セミナーのレポート第3回は、北海道がんセンターの江戸美奈子先生がレクチャーする、口腔ケアの具体的スキルをレポートします。
第1回・2回はこちら
* 第1回 がん化学療法時の口腔ケア
* 第2回 口腔トラブルが起こるメカニズムとケアのエビデンス
がん治療前から始めたい口腔ケアの具体的スキル
北海道がんセンターに2012年4月に開設された歯科口腔外科で歯科衛生士として活動する江戸美奈子先生からは、「抗がん剤治療中の口腔ケアの実際」と題し、歯科衛生士ならではの具体的なケアスキルについて講義がありました。
トラブルが生じてからでは遅すぎる場合も
最初に、がん化学療法を受ける患者さんの口腔内は、歯周病などによって厳しい状況にあるケースが少なくないことを示した上で、「トラブルが生じてからケアをしようとしても遅すぎる場合があり、化学療法前からの口腔ケアの必要性を患者さんに説明し、理解を得ることが重要です」と指摘しました。
がん化学療法による口腔粘膜炎を予防する治療法はないため、治療前からできるだけ口腔環境を整備して、口腔トラブルを重篤化させないことが重要になり、「う歯や治療途中の歯がある患者さん、1年以上歯科を受診していない患者さん、歯肉の腫れや動揺歯がある患者さんには、積極的に歯科受診を勧めてください」と呼びかけました。

院内連携のための取り組み事例について話す江戸先生
口腔環境の整備としては、歯石の除去、歯面の研磨など、専門的口腔ケアによるプラークフリーに近い状態にした上で、セルフケアを基本とした口腔衛生指導がポイントとのこと。
「筆を持つようなペングリップにすると力が抜けるのでやさしく磨けます。効果的なプラーク除去、また、抗がん剤治療中の脆弱な口腔粘膜を傷つけないためにもブラシ圧を加減し、ストロークを強くしないように、看護師さんから患者さんにアドバイスしてもらえればと思います」と話しました。

江戸先生の講義には、歯科衛生士として看護師に向けた歯磨きの注意点が盛りだくさん
次に、がん化学療法に伴う口腔粘膜炎に対しては、
- ●口腔の観察・評価を行って早期にトラブルを発見すること
- ●口腔セルフケアに対する環境整備をすること
- ●疼痛のコントロールによって食事や歯磨きをしやすくすること
- ●口腔内状況に合わせた食事(栄養)をサポートすること
に留意していただきたいとし、「がん治療中の患者さんに適したケア用品は、スーパーやドラッグストアでは販売されていないため、院内の売店に働きかけて、必要な用品を購入しやすいように整備することは非常に大切だと思います。
勤務先の売店ではどのような歯ブラシを置いているか、低刺激の歯磨き剤や洗口液が置いているかなどを確認してください」と明日からの実践を提案しました。
※次回は、「口腔トラブル中の栄養摂取の方法」について紹介します。
第4回はこちら
* 第4回 口腔トラブル中の栄養摂取方法
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