
協賛:サンスター株式会社/主催:ナース専科
がん化学療法に伴い、高い頻度で発生する副作用である口腔粘膜炎や知覚過敏。これら口腔トラブルへのケアを学ぶ「明日から実践! がん化学療法時の口腔ケア」セミナーのレポート第4回は、静岡県立静岡がんセンターの山下亜依子先生がレクチャーする、口腔トラブル中の栄養摂取方法をレポートします。
第1~3回はこちら
* 第1回 がん化学療法時の口腔ケア
* 第2回 口腔トラブルが起こるメカニズムとケアのエビデンス
* 第3回 口腔ケアの具体的スキル
口腔トラブル中の栄養摂取の方法
静岡がんセンターの管理栄養士である山下亜依子先生は、「口腔トラブルのある時の食事の工夫」として、がん治療に関わる栄養管理について講義しました。
「口腔トラブルがあると、食べることそのものに障害が起きてしまい、全身問題に関わってきます。基礎代謝や活動代謝が低下し、さらに食べられなくなります」と指摘。栄養摂取の観点からも口腔ケアが必要なことを最初に強調しました。
おやつのひとつも小さな食事と考えて
がんの治療中に訴えの多い症状としては、食欲不振、吐き気・嘔吐、味覚の変化、嗅覚の変化、唾液減少・口腔乾燥、口腔粘膜炎などを挙げ、主食・副菜・主菜を基本とした栄養バランスの良い食事をベースとしながら、飲み込みやすさや食べやすさを工夫する大切さを指摘しました。
また、がん患者さんが好むものは、のどごしの良いもの、さっぱりしたもの、酸味のあるものなどで、大盛のものは好まれず、匂いが鼻につくため煮物が避けられる傾向にあるとのこと。患者さんには、同じ食材でも調理方法によりエネルギーに差が出ることや、温かい料理より冷たい料理が匂いを感じにくいことなどを伝えてあげてほしいと述べました。

口腔トラブル時の栄養摂取の方法について話す山下先生
「種類も多く味もおいしくなっていますので、カップラーメンやレトルト食品などの市販加工品を活用しない手はないと思います。食べたいと思ったときすぐに食べることができ、保存もきき、常備しておくと便利です。また、おやつにはエネルギーが高いものが多く活用できます。一つひとつが小さな食事であると伝え、少しずつでも摂取を促します」など具体的なアドバイスが続きました。

間食(おやつ)も食事の一環として考えることで必要最低限のエネルギーを確保する手段につながる
この日の講義は、計5時間にもおよぶ長時間でしたが、受講生の集中力は高く、講義のあとも質問や相談が相次ぎました。
時間切れのために講師の先生方には、急きょメールで回答を希望する受講生たちが質問用紙を寄せるなど、口腔ケアへの関心の高さがうかがえる一日でした。
口腔ケア加算で人気!
2012年の診療報酬改定から評価されるようになった周術期口腔機能管理。放射線治療や化学療法などを受けるがん患者さんの口腔機能の評価・管理、歯科衛生士による専門的口腔衛生処置などが評価されるようになったこともあり、この日のセミナーも大盛況でした。
100人定員の会場は、ほぼ満席状態。講義中も熱心にノートを取る受講生の姿に、このテーマへの関心の高さがうかがわれました。
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