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排泄援助

適切なおむつの選択が、便失禁患者さんをスキントラブルから守りQOLを高める【PR】

2020.11.13
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片岡 恵子

戸田中央総合病院 看護部長

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権東 容秀

戸田中央総合病院 褥瘡対策委員会委員長/皮膚科 医師

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守屋 薫

戸田中央総合病院 皮膚・排泄ケア 認定看護師

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大王製紙株式会社

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看護師が直面する課題の1つに、尿失禁や便失禁といった排泄トラブルがあります。なかでも便失禁は、失禁関連皮膚炎などのスキントラブルを引き起こし、患者さんに身体的・精神的な苦痛を与えることがあります。
埼玉県の戸田中央総合病院では、2008年からスタートした排泄ケアの標準化に向けた取り組みのなかで、“おむつ選び”にもこだわり、便失禁患者さんのスキントラブルの発生リスクを軽減させることができました。今回は、その取り組みを紹介します。

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病棟勤務時代に感じた排泄ケアのジレンマと問題意識

戸田中央総合病院の皮膚・排泄ケア認定看護師である守屋薫さんは、認定看護師になる前、病棟での排泄ケアに、大きなジレンマを感じていたといいます。

当時、守屋さんが勤務していたのは、外科と脳外科の混合病棟でした。尿失禁や便失禁を起こす患者さんが多く、2時間おきのおむつ交換は、一巡したらまた次の一巡が始まるといった状況でした。もちろんそのなかには、大量の尿や便がもれ、シーツ交換が必要なケースもあります。こうした状況は、病棟看護師にとって大きな負担であり、反射的に表情が曇るスタッフもいたそうです。

「失禁は患者さんの自尊心を傷つけます。私はこうした看護師の対応に問題を感じながらも、限られた人員のなかでケアを行うスタッフの気持ちも十分理解ができ、ジレンマを抱えていました」と守屋さんは当時を振り返ります。さらに当時から、便失禁のケアに対する問題意識も抱えていたといいます。

病棟勤務時代に感じた排泄ケアのジレンマと問題意識
今回お話をいただいた皮膚・排泄ケア認定看護師の守屋薫さん

「便は尿に比べて刺激が強く、皮膚に付着するとスキントラブルの原因になります。スキントラブルを防ぐためには、下痢の患者さんへの排泄ケアをできるだけ早く行うことが必要です。しかし、当時はマンパワーの問題もあり、皮膚炎になってから対応するケースも少なくありませんでした。また、すでに生じたスキントラブルに対しても、おむつ交換の回数を増やし、便を拭き取り洗浄を繰り返すしかなく、患者さん一人ひとりの状態に合ったケアではありませんでしたし、おむつの当て方や拭き方も統一されてはいませんでした」

病院全体の課題解決に向けて「軟便パッド」の導入へ

その後、守屋さんは認定看護師の資格取得のために養成校に通い始め、そこで先輩の話からある製品を知ることになります。それが「アテントSケア軟便安心パッド(以下、軟便パッド)」です。この製品は、大王製紙株式会社と、東京大学の真田弘美先生※が共同開発したもので、おむつ表面のメッシュ構造により皮膚への便の付着を減らし、新開発の吸収体によって軟便の吸収量を増やし、便もれを大きく軽減するという特長をもっています(図)。軟便パッドの存在を知った守屋さんは、すぐに病院での導入を考えたといいます。

「便失禁によるスキントラブルの発生メカニズムを基にして考えられており、なぜこのような構造になっているのか、なぜトラブルが軽減できるのかが明快にわかりました。現場の課題認識にマッチした製品だと感じました」

類似便による実験

図 アテントSケア軟便安心パッドの特徴と構造(画像提供:大王製紙株式会社)

2007年に皮膚・排泄ケア認定看護師の資格を取得した守屋さんは、翌年から院内の排泄ケアの標準化をめざしたマニュアル作りに取り組みます。同時に、戸田中央総合病院を含む戸田グループ全体で、使用するおむつの見直しをスタートさせました。

「おむつはメーカーごとの契約になるため、軟便用だけではなくすべてのおむつを一体的に検討する必要がありました。この軟便パッドを導入したいという気持ちはありましたが、大王製紙を含め5、6社のメーカーに依頼してプレゼンテーションを受け、しっかり比較検討しました。結果的に、軟便パッドに代わる他社製品はなく、費用面なども総合的に判断して大王製紙のアテントを導入することになりました。法人と病院にプレゼンテーションを行い、軟便パッドの導入に至ったという経緯です」

※東京大学大学院医学系研究科 老年看護学/創傷看護学分野 教授/グローバルナーシングリサーチセンター センター長

排泄ケアを標準化し、スキントラブルの軽減を実現

軟便パッドの導入決定後、守屋さんはさまざまな取り組みを開始します。最初に行ったのが、病棟師長たちへのプレゼンテーションでした。同院では、最終的にどのおむつを採用するかは、各病棟師長の判断に委ねられています。守屋さんは、軟便パッドを導入してもらうため、「いかに軟便に特化しているか、いかに代わるものがない製品か」を訴え、師長の理解を得ていきました。そして最終的には、小児科を除くすべての病棟に導入されることになりました。

次に取り組んだのは勉強会です。せっかく新しい物品を導入しても正しく活用されなければ意味がありません。守屋さんは大王製紙のアテントチーフアドバイザーに依頼し、職員向けの勉強会や研修に一緒に参加してもらい、軟便パッドの持つ特徴や使用対象患者さん、あて方などについて理解を広げていきました。この取り組みは今でも継続しています。

排泄ケアを標準化し、スキントラブルの軽減を実現
守屋さんたち褥瘡対策委員会が行う褥瘡ラウンドの様子。患者さんのベッドサイドを廻り、褥瘡とおむつの状態を観察・アセスメントしていく

「私が軟便パッドに期待したのは、便失禁のスキントラブルを軽減することだけではなく、看護師各自がバラバラに行っていた便失禁に対するケアを標準化することでした。そのためには、全病棟で導入することが必要でしたし、スタッフに正しい知識を周知することが重要でした」

こうした活動は徐々に実を結び、成果となって表れているそうです。

「今では下痢患者さんの8〜9割に軟便パッドが使用されるなど、便失禁に対する標準的なケアとしてかなり定着してきたと思います。その結果、重症のスキントラブルは軽減してきましたし、スタッフも患者さんの状態に合わせた排泄ケアが提供できるようになってきたと感じています」

褥瘡ラウンド中にも必要があればチームで集まり、その場でカンファレンスを行っていく。
褥瘡ラウンド中にも必要があればチームで集まり、その場でカンファレンスを行っていく。メンバーは医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、医事課など多職種で構成されている

物品を賢く使い、ケアの質を高めていきたい

現在、守屋さんは、大王製紙のアテントチーフアドバイザーとともに行う月1回の褥瘡ラウンドに力を入れています。褥瘡対策委員会の一員である守屋さんは、毎週火曜日にチームで褥瘡ラウンドを行っていますが、褥瘡対策委員等の許可を得たうえで、第2火曜日を、介護福祉士の資格をもつ大王製紙のアテントチーフアドバイザーと一緒に院内を回る日とし、正しいおむつの選び方や当て方を細かく指導しています。

この取り組みが始まった背景には、2016年に行った院内調査があります。守屋さんはそれまでの取り組みの成果と現状を確かめるため、同年におむつの選び方や当て方に対する実態調査を実施しました。すると、ほとんどのスタッフが「自分は正しくできている」と自認しているものの、実際には正しく実践できていないという結果が得られました。以来、集合教育を行うだけでなく、介護福祉士の資格をもつ大王製紙のアテントチーフアドバイザーとともに院内をラウンドして見直し評価を行い、地道に指導するようになったのです。

物品を賢く使い、ケアの質を高めていきたい
ラウンドで確認した患者さんの下痢と栄養状態について、さらに詳細にカンファレンスを進めるメンバー

守屋さんは今回の経験を踏まえて次のように話します。

「今回の軟便パッドの導入は、私個人には看護ケアの課題を解決する成功体験を、病院全体には便失禁に対する排泄ケアの標準化と、スキントラブルのリスク軽減をもたらしました。スタッフ間の知識や技術の格差などまだ課題はありますが、私たちにとって軟便パッドの導入で得たものは、患者さんの身体的・精神的苦痛の軽減という非常に大きなものでした。これからも、良い物品を賢く利用し、ケアの質の向上に努めていきたいと思います。」

便失禁のある患者さんのQOLを少しでも高めるために、適切な物品選びの大切さと適切な使用方法を守屋さんは今後も広めていきたいと考えています。

「アテントSケア軟便安心パッド」

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取材協力:医療法人社団東光会 戸田中央総合病院

戸田中央総合病院

所在地:埼玉県戸田市本町1-19-3
ホームページ:https://www.chuobyoin.or.jp/

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