聖マリアンナ医科大学病院
監修者の記事一覧普段から行わなければならない観察
エアマットレスを使用している方をケアする場合、使用環境が適切であるか最低でも各勤務帯に一度は確認します。マットの硬さに異常がないか、身体の底付きの有無、エアポンプの稼働状況、ポンプの異常音の有無、送風チューブの接続などを観察していきますが、それぞれどんな事に注意していけばよいのかを解説していきます。
ランプの点滅
電源ランプの点滅(図1)や注意ランプの点滅(図2)は、エアマットレスの内圧に異常があるサインです。ランプが点滅していた時は、以下の手順で一つ一つ確認していきます。 まず、電源ボタンを一度切るか電源プラグを抜き、リセットします。その後、電源を入れなおし1時間以上経過してから再びランプが点滅しないか観察します。 点滅が消えない場合は、エアセルや送風チューブの異常など、何らかの原因でマット内の圧異常が考えられますので、さらにチェックを進めていきます。

「壊れたかな?」その前に確認すること
壊れたと判断する前に、マットレス周辺の異常な設定がないか確認を行います。 エアマットレスの頭側には、『エア抜き栓』がついています。「なかなかマットレスが膨らまない」という場合は、エア抜き栓が外れたままになっている事もあります(図3)ので、きちんとはまっているかチェックします。 マットレスによっては、『エア抜き栓』のコネクターがカバー内部に付属している場合もありますので確認してみてください。

また、マットが膨らまない原因として、送風チューブの折れ曲がりもよくみられます。シーツをかける時などに、マットレス自体の下に入って折れ曲がっていたり(図4)、ベッドの床面の下に挟まっていたり(図5)などで、送風チューブが折れ曲がったり、押しつぶされていないか確認します。

ポンプと送風チューブの接続部分の差し込みが完全でない事もよく見受けられます。(図6)

修理が必要な状況
エアセルの異常
エアマットを触ってみて、マットレスが軟らかすぎたり、エアセルのエアが抜けたりしている場合などは、シーツおよびカバーを外してエアセルの状態を観察します。 一つのエアセルに異常があると、図7のように同じ系統(写真は2系統の交互膨縮)のエアセルも空気が抜けてしまいます。 一つ一つのエアセルに破損箇所(穴あき等)がないかを確認します。

カプラー周囲の異常
ポンプと送風チューブの接続部分の『カプラー』という部品の破損も多くみられます。図8のように『カプラー』の爪が折れたまま使用していると、空気漏れがおきてしまいマット内の内圧が適正に保てません。『カプラー』部品を交換する必要があります。

ウレタンマットレスのヘタリ
ウレタンマットレスも長期間使用し続けると劣化し、適切な体圧分散効果が得られなくなります。 特に体幹部分は荷重がかかり続ける為、ヘタリが生じやすくなります。体幹部分がヘタってしまいますと、患者の腰部のみが落ち込み、仙骨部の圧力が上昇する可能性もあります。 定期的に観察し、マットレスに劣化が見られたら交換する必要があります。
体圧分散寝具の管理方法
西澤らは、体圧分散寝具の管理方法のフローチャートを作成しているので、参考にしてください。

『褥瘡ケア』の連載は、今回で最終回です。皆様の日頃の褥瘡ケアに、少しでもお役に立てたのであれば幸いです。一年間、お付き合いいただきありがとうございました。
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