2型糖尿病
にがたとうにょうびょう
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2型糖尿病とは 膵臓から分泌されるインスリンの作用不足による、慢性的な高血糖と特有の代謝異常を引き起こす疾患のこと。 インスリンが相対的に不足している状態であって、絶対的に欠乏している1型糖尿病とは好発年齢や治療方針が異なる。 過食や運動不足による生活習慣の不良と加齢によって起こりやすい。 家族歴に多いのは、遺伝の可能性もあるが、同じような生活習慣によって発症しやすくなっている可能性がある。進行は緩やかであるため、初めは自覚症状がなく、診断を受けても治療が続かない人も多い。自覚症状が出たときには合併症が重症化していることもあり、患者さんの疾病教育が大切である。 略語 DM(diabetes mellitus) 原因 遺伝によるインスリン分泌障害とインスリン抵抗性が関係していると言われている。 さらにインスリン抵抗性は過食・肥満・運動不足・ストレス・加齢などによる環境因子も大きく関係している。 症状 初期は無症状のまま進行する。 しだいに高血糖による多尿・口渇・多飲・体重減少などが出現する。 診断 1と2を満たすか、日を改めて1を2回満たせば診断される。 1.血糖値:3つのうちのいずれかを満たす ・空腹時≧126mg/dL ・OGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)2時間値≧200mg/dL ・随時≧200mg/dL 2.HbA1c≧6.5% 分類 インスリン分泌障害とインスリン抵抗性のどちらが優位かは、人によって異なる。
インスリン分泌障害優位
軽度な肥満。先天的なインスリン分泌障害に、少しでも肥満が加わって発症する。
インスリン抵抗性優位
高度な肥満。先天的なインスリン分泌障害は軽度なが、肥満が加わることでインスリン抵抗性が生じて発症する。
両者の中間
インスリン分泌障害とインスリン抵抗性が同じくらい関わって発症する。 検査値 食前・食後とも正常値に比べて、血糖値は上昇傾向にある。 HbA1cは、変動しやすい血糖値と違い、過去1~2ヶ月の血糖値が反映される。 尿糖も徴候の1つではあるが、必ずしも陽性になるわけではなく、補助的な検査である。 病期 インスリン抵抗性が亢進しても、見合う量のインスリンを分泌することで代償できてしまう。 しかし、その状態が続くと膵臓が疲弊し、代償機構が破綻してしまう。 高血糖 血中の糖を排泄するために多尿になる。そのために口渇・多飲の症状をともなう。 高浸透圧高血糖症候群(HHS) 血漿浸透圧高値・著明な高血糖・尿中ケトン体(ー~+)が特徴的。 症状としては皮膚や口腔粘膜乾燥・低血圧・けいれん・意識障害などを引き起こす。 感染や脱水などがきっかけで、高齢者に多く発症する。 低血糖 経口血糖降下薬やインスリンの不適切な使用が原因。 頻脈・冷や汗・振戦・頭痛・意識障害などが起こる。 すぐにブドウ糖の経口摂取や静注などの対応で、患者さんや家族への指導が必要である。 動脈硬化症 糖尿病を持っていない人に比べて、心筋梗塞になるリスクが2~3倍高い。 ほかにも狭心症・脳梗塞・下肢動脈硬化症などを合併する可能性がある。 三大合併症 1.糖尿病網膜症 40%の人が合併し、飛蚊症(視野中に小さな虫のようなものが見える)や眼底の血管障害による視力低下、硝子体出血(視野中に黒いカーテンがかかっているように見える)などの症状が起こる。かなり症状が進行するまで、放置されていることが多い。この網膜症はHbA1cが7%未満でコントロールされていれば予防できることが多い。 2.糖尿病腎症 蛋白尿がおもな徴候だが、初期は無症状。 糖尿病発症から5~10年で発症すると言われていて、末期になると人工透析が必要となる。 3.糖尿病神経障害 合併症の中で始めにみられることが多いものである。 両足のしびれ 足が冷える、こむらがえりを起こす めまい、立ちくらみ 便秘・下痢 尿が出にくい 勃起障害 痛みを感じにくい といった症状があるので、心筋梗塞などの胸痛発作に対しても気づかないことがある。 患者さんに足先の潰瘍や壊死が起こりやすいのは、しびれなどの感覚低下が起こっているからである。 軽視されがちで発見が遅れることが多い。 ほかの疾患を除外した上で、両側アキレス腱反射低下(あるいは消失)・振動覚低下により診断できる。 検査 1.血糖値 空腹時、OGTT、随時の血糖値を調べる 2.HbA1c 過去1~2ヶ月の血糖値を調べる 3.尿検査 尿糖を調べる 4.その他の検査 血液検査、眼底検査、腱反射、振動覚検査など 予後 一般の人に比べて、虚血性心疾患や感染症、腎疾患に罹るリスクが高いと言われている。 また、罹患している人は一般的な日本人の平均寿命と比べて、10歳前後短命であることが判っている。 治療 まずは患者さんに糖尿病ついて理解してもらう。 それぞれの患者さんの状態を総合的に評価して、治療方針を検討していく。 治すのではなく、糖尿病を良好にコントロールしていくことが目標。 1.食事療法 まずはBMIを用いて標準体重を設定する。 そして、その患者さんに見合った量やバランスに注意し、規則的に食事を行うことで血糖コントロールを行っていく。 お酒は主治医と相談して、少しなら飲んでも良いことが多い。 2.運動療法 定期的な有酸素運動が有効で、ウォーキング、水泳、エアロビクスなどがおすすめ。 一番の目的はやせることではなく、食後の血糖値を下げたり、インスリン感受性を高めること。 3.薬物療法 食事療法・運動療法によるコントロールが不良な場合に選択となる。 経口血糖降下薬でも効果が不十分であれば、インスリン注射が選択される。 インスリン注射にはいくつか種類があって、作用発現時間や持続時間が違うので患者さんによって適切なタイプを選択する。 インスリンの注射部位は揉まないように指導する必要がある。急激に血管内に入ることで、低血糖を起こす危険性がある。
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