胃洗浄
いせんじょう
いせんじょう
タップすると各項目へ移動します
胃洗浄とは、胃管から洗浄液を注入・吸引し、胃内に残存する薬毒物などの有害物質を体外へ排出する処置を指す。
処置に伴う苦痛や誤嚥、消化管損傷などの合併症のリスクに加え、臨床転帰の改善を示す十分なエビデンスが乏しい。そのため、以前は急性中毒の患者さんに対して比較的広く実施されていたが、現在は生命にかかわる急性中毒であり、かつ原則摂取後60分以内で胃内に薬毒物が残存している可能性が高い場合に限り、慎重に判断して実施される。
意識レベルが低下しているにもかかわらず気道が確保されていない場合や、強酸・強アルカリ、石油系製品を摂取した患者さんでは、誤嚥による化学性肺炎や消化管損傷を助長する危険があるため、原則禁忌である。また、高度の出血傾向がある場合や、胃穿孔、食道静脈瘤、上部消化管の狭窄がある場合も実施してはならない。
処置に際しては、適切なサイズの胃管を適切な位置へ挿入する。体位は、洗浄液が胃の大彎側に貯留しやすく、誤嚥や十二指腸への流出を防止できる左側臥位とし、頭部を約15度下げる(頭低位)。体温に近い温度の洗浄液(生理食塩水や水道水)を反復して注入・吸引し、胃内容物を除去する。胃洗浄終了後は、適応に応じて活性炭を胃管から投与し、薬毒物の消化管吸収を抑制することもある。
看護師は、処置前後を通してバイタルサインや排液の量・性状を継続的に観察し、誤嚥や低酸素血症、消化管損傷、出血などの合併症の徴候に注意する。異常が認められた際は速やかに医師へ報告し、適切な処置に繋げることが求められる。
林 洋
東京有明医療大学
(監修)
山﨑博貴
(執筆)
ワード検索