点滴と同じ腕(末梢から)の採血はOK? NG?のサムネイル画像
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Q.点滴より末梢側で採血をすれば、検査数値に問題はないと思うのですが実際はどうなのでしょうか。

A.適切な位置で駆血し、点滴の刺入部から15cm離れた末梢側からの採血による血液データは、点滴の影響を受けない

点滴をしていない側の上肢から採血できないケースもある

 点滴をしている上肢から採血すると、点滴成分が採血管に入ってしまうことで、患者さんの生体機能を反映した正しい検査結果が出ないのでは? という疑問は多くの看護師が長年感じていたことだと思います。点滴をしていない側の上肢で採血すれば、それで済む話ではと思われがちですが、そうもいかない状況が臨床現場にはあります。思いつく限り例を挙げてみます。

  • 点滴をしていない側の上肢にシャントがある(シャント側からの採血は禁忌)。
  • 点滴をしていない側の上肢はリンパ節郭清を伴う乳房切除術後である(乳房切除術側からの採血は禁忌)。
  • 点滴をしていない側の上肢には採血に相応しい血管がない。
  • 両腕で点滴している。

 こんなところでしょうか。
 こういった場合、多くの看護師は下肢から採血することが多いようです。しかし、下肢からの採血は血栓形成のリスクがあるといわれており、決して推奨される部位ではありません。

 さらに、下肢から採血するときの患者さんの不安や疼痛の訴えが、上肢からの採血と比較にならないことは、多くの看護師が知っていると思います。

点滴より末梢側での採血データを検証

 そこで、点滴している側から採血しても患者さんの生体機能を反映した正確なデータが得られれば、安全・安楽とは言えない下肢から採血する必要がなくなるのではと考えました。
 点滴は静脈から行うため、点滴成分は静脈の流れに乗り中枢側へ流れていきます。よって、点滴をしている末梢側から採血すれば点滴成分が採血管に入ってこないのではという仮説を立ててみました。そして、次のような実験を行いました。

実験①1、2)
 ウサギの耳介静脈に点滴をして、点滴をしている中枢側と末梢側、そして点滴をしていない反対側の耳介静脈(以下、反対側)から採血をして血球検査・生化学検査の39項目を分析しました(写真1)。
 ウサギ7匹に実験を行い、中枢側と反対側、末梢側と反対側のデータを比較したところ、ものの見事に点滴の中枢側は点滴の影響を受ける結果となりました。しかし、末梢側は近すぎると影響を受ける検査項目もありましたが、5cm離れた末梢側では点滴の影響がまったくありませんでした。
 この研究から点滴をしている末梢側から採血しても、点滴が影響しない血液データが採血できる可能性を見出すことができました。

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