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解説
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丹波光子

杏林大学医学部付属病院 皮膚・排泄ケア 認定看護師

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怒りの感情と上手に付き合うための技術とは

「アンガーマネジメント」は、医療系・看護系のセミナーで取り上げられる機会も多く、知っているという人も増えてきました。しかし、具体的な内容を知らない人、怒らない方法だと誤解している人が少なくありません。アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで始まった、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングです。理論と技術を学び、実践を繰り返すことで怒りの感情をコントロールできるようになります。

怒りには発生するメカニズムや構造(しくみ)があることを知っているでしょうか。同じ現象であっても怒ってしまうときと、そうでないときはありませんか? では、その違いはなんでしょうか。

感情は起きた出来事に自分なりに意味づけすることで生まれます。怒りには構造がある、そんなことを知っているだけでも、怒っている自分を客観的に見つめることができるようになるのではないでしょうか。

また、怒りの感情は単体で発生することはありません。一次感情をベースに、二次感情として生まれます。一次感情とは「痛い」「寂しい」などのネガティブな感情のことで、それが溜まると水がコップから溢れるように、感情が怒りへと変わります。これは、氷山にたとえることもでき、怒りが氷山の一角であれば、海中にはさまざまな一次感情が隠れています。

怒りのパターンは人によって違うということも知っておくとよいかもしれません。一人ひとり性格が違うように怒りにもパターンがあるので、それぞれのパターンによって有効な対処法は変わってきます。自分の怒りがどんなタイプであるかは、本書にある「アンガーマネジメント診断」で知ることができます。

怒りについて理解し、自分を客観的にみつめることができるようになったら、具体的な実践テクニックを学びましょう。アンガーマネジメントを身につけるためには対処術と体質改善の2つの方法があります。対処術にはいくつかの種類があり、自分に合っている方法を見つけられるので、実際の仕事や私生活ですぐに実践することができます。

怒りの裏にある本当の気持ちに気づく

著者は看護師歴30年以上の現役看護師で、アンガーマネジメント協会のファシリテーターとして活動している光前麻由美さんです。多数のアンガーマネジメント協会認定資格のほか、ヘルスカウンセリング学会公認のSATコーチャーの資格を持っており、メンタルヘルスについてのプロフェッショナルです。二児の母親でもあり、看護師が抱える悩みをより包括的な視点で解説しています。

本書では図や表、イラストなどを多く使っているため、忙しい看護師さんも読みやすい内容になっています。前半はアンガーマネジメントの基本と実践テクニックについて説明し、後半はそれをもとに看護現場で起きやすい事例を使って解説する、という構成になっているため、自分が興味のある部分から読み始めるということもできます。

怒りに対してネガティブなイメージを持っている人がほとんどだと思いますが、怒りは自然な感情で悪いことではありません。この本は、怒ることを我慢するのではなく、怒るかどうかの判断は自分で決めてよいのだということを教えてくれます。これまで怒りの感情を抑えきれず後悔した経験がある人や、職場の人間関係でイライラしている人、後輩や部下を上手に叱る方法が知りたい人はぜひ本書を手に取ってみてください。

怒りの裏にある本当の気持ちやリクエストを明確にして、きちんと相手に伝えるためには、アンガーマネジメントの理論を知っているかそうでないかで大きく違います。ぜひ、この本を活用して怒りの感情を上手にコントロールできる人になってください。

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看護師のためのアンガーマネジメント 「怒り」の感情を上手にコントロールする技術
著 光前麻由美
定価 1,500円+税
ページ数 136ページ

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