熊谷久子
取材者の記事一覧看護師を志したきっかけ
きっかけは自分の意思ではないのですよ。母が看護師という仕事に憧れていまして、それはもう熱狂的にすすめられたのです。看護学校では自分の意思で「看護師」を選んだ人がほとんどでしたので「これで良かったのかな、自分で選んだ道じゃないのに」…ってどこかでずっと葛藤していましたね。
看護師として働くという意志を固めるきっかけになったのは、載帽式の朝、寮の黒板に綴られた4行の詩を前にしたときでした。
「我は歩くなり、大道を歩くなり、一途に歩くなり、死ぬまで歩くなり」
そのとき、自分の胸中にグーっとこみ上げてくるものがあって不思議なことに気持ちがすーっと整理されたんです。「よし、看護師として働くぞ」って決意できました。この4行詩は、看護を続ける今でも私を励ましてくれます。そして、看護師の道を薦めてくれた亡き母にとても感謝しています。
自身の看護観
看護師という仕事を続けるなかで迷うことがあります。例えば、患者さんはこう希望しているが患者さんの体のことや、業務を考慮すると「どうなんだろう」ってことがいっぱい出てきます。
迷ったときの一番の解決方法は、自分だったらどうされたいか、相手の立場に看護の専門知識を駆使して立ってみること。それが今の私の看護観につながっているように思います。「相手が何を考えているのか、相手の立場に立って、実践していくこと」は患者さんのこころを大切にすることであり、最も忘れてはならないことだと自覚しています。
小田原市立病院のこだわり
2009年4月より救命救急センターとして始動、また今年度中に地域医療支援病院の仲間入りを果たす予定です。 このように大きな変革期にあるなかで、多くの意見を取り入れながら地域医療にがんばる病院の土台を看護部が担っていけたらなって思っています。
もう一つ、こだわりというか嬉しいことをあげるなら、常勤看護師の離職率が6.3%という実績があります。(神奈川県平均=15.4%、2007年日本看護協会調べ)
私も部長になるまで副看護部長として当院の卒後教育に15年間関わらせていただきながら、“社会人として自立し、また自分を律することのできる看護師”の育成を目指しました。そのような土壌の中でみんなが活き活きと仕事ができるのであれば離職は少なくなると実感しています。
人をどんどん採用するというよりも一緒に働くみなさんに辞めなくてすむ環境をいかに提供できるかが大きなテーマだと思っています…。
ともに働きたい看護師の人物像
チームを大切にする方、人間関係を大切にされる方…そして何と言っても笑顔の素敵な方。看護師はひとりではできない仕事です。看護のスキルも勿論大切ですが、相手の立場になって物事を考えられる方と一緒に働きたいなと思っています。
看護師として働く方へのメッセージ
実は私、1年ほど看護師の仕事を離れたことがあります。隣の芝が青く見えたのでしょうね…。そしたら自分がいた場所がどれだけすばらしかったのか気づきました。患者さんと接し、教えられることのいかに多い仕事かってことも…。
その後、看護の道に復帰してから今まで一度も辞めようと思ったことはありません。仕事を続けることに迷った時には、辞めるという行動を起こす前に、この道を選びこんな素晴らしいこともあったと冷静に考えましょう。 私の経験上のアドバイスです。
また、長く続けると自分のやりたいことが実現しやすくなります。今は納得できないようなことがあってもとにかく「続けること」ですね。せっかく掴んだ看護師免許を大事にしてほしいです。
看護師は人の心を動かす素敵な仕事。子育て中であってもいろんな支援制度を利用してとにかく続けてもらいたいですね。
スタッフから見た熊谷看護部長
もうとにかくいつもニコニコしてスタッフに声をかけているイメージがありますね。なんでこんなに話をしたくなるのだろうって不思議なぐらい。取材だからってこんなこと言っているわけじゃないですよ(笑)。きっと私たちにはわからないようにごく自然に視線を合わせてくれているんでしょうね。
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