がん患者さんとの会話では、時に死や無念さといった深刻な話題になることも少なくありません。そんなときに、どう答えていいかわからないままに、通りいっぺんの返答をしては、患者さんとの言葉のキャッチボールは生まれません。
ここでは、看護師が自分の言葉で率直 な会話をするための基本をレクチャーします。
1 率直な気持ちを言葉にする
看護師は意識・無意識のうちに、「患者さんを安楽にしてあげたい、安心させてあげたい」と思って発言します。しかも、古い看護教育では「自分の気持 ちを言ってはいけない」と教えられるので、感情を抑え、冷静に対処することが専門職としての態度だと考えてしまう傾向があります。
そのため、看護師の話の内容は解釈であったり、説明・教育的指導であったりすることも多いようです。また、共感を伝えるには、患者さんの言葉をオウム返しにするのがよいとされてきていました。
例えば、患者さんが、「私は、もう死ぬんだなと思うんですよ」と言った場合、これまで医療者は、「死にたいと思っているんですね」と、言葉をそのまま繰り返すことが推奨されていました。
しかし、治療的にかかわるための返答の言葉が見つからないため、窮余の策として発せられてきた言葉だと思います。オウム返しでは言葉のキャッチボールにはなりません。大切なことは、投げかけられた言葉に対して、看護師という人として受け止めて、こちらからも言葉を返すということです。
そのためには、患者さんの言葉を聞いたときに感じた思いを伝えればいいのです。前述のような「もう死ぬんだなと思う」という患者さんの言葉に対して、どうしてそう思うようになったのかが不思議に感じたら、「なぜ、そう思うのですか?」「いつからそう考えているのですか?」と、聞いてみます。
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