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できる看護師は呼吸数にも着目する!

 誰でも簡単に見える数値であるSpO2はその簡易さ故に、経験の少ない看護師に過剰に信頼されている傾向があります。そこに落とし穴があります。医師は呼吸不全の定義にはPaO2を用いるため、SpO2は使いません(参考値とします)。では、どこを見ているのかというと病態を鋭敏かつ正確に示しているのは、実はバイタルサインである呼吸数なのです。例えば、肺炎の患者さんでSpO2が下がっていなくても呼吸数が早い状態は危険です。生体は呼吸数を増加させることでより酸素を取り込み、SpO2を維持しています。その代償が効かない程度にまで病態が悪化しSpO2が下がったときには、もう「時、既に遅し」なわけです。

 このように呼吸数こそが、鋭敏な呼吸不全のマーカーとなっており、実際に医師の中で最も使われる基準の一つ、SIRS基準( Systemic inflammatory response syndrome)(表)の中にも堂々と呼吸数が含まれているわけです。また肺炎の入院適応の指標(CURB65、A-DROP等)でも、やはり呼吸数が重要な位置を占めています。こちらで解説したようにSpO2は指標に入っていません。このように医師はSpO2の上がり下がり以前に呼吸数の変化をより重要視しています。面白いことに、とある研究では急変が起こる前にバイタルサインの呼吸数の記録が欠落していることが多いことを鋭く指摘しています1)。呼吸数を測定しないということは、実は急変の初期を見逃している可能性が示唆されるのです。

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