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症状の聴取を英語でするには?[循環器科編16]のサムネイル画像
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外国人患者さんに英語で対応できる? アメリカの医療現場で実際に使われている、患者さんにもすんなり伝わる簡単な医療英語をマスターしよう!


患者さんに一番近い存在の看護師は、「今日はどうされましたか?」から始め、症状を聞いて患者さんにおこっている健康問題の把握を行います。外国人の患者さんに対してもコミュニケーションを通して主観的情報を収集し、客観的情報と合わせて全身状態の把握が必要ですね。
今回からは、急性心筋梗塞の症状の聴取に必要なフレーズを紹介します。

急性心筋梗塞の治療のPOINTは、早期診断と早期治療です。
急性心筋梗塞の患者さんが、来院してから冠動脈の閉塞部位の再灌流までの時間:DTBT(Door To Balloon Time)は、循環器のガイドラインにより90分以内が望ましいとされています。DTBTが早ければ早いほど救命率は上がり、その後の社会復帰に影響を及ぼします。

看護師は、すぐにバイタルサインの測定と12誘導、点滴ラインの確保や心筋梗塞の初期治療として知られるMONA(モルヒネ、酸素、硝酸薬、アスピリン)1)投与の準備・実施を行います。同時にOLDCART2)に沿った症状のアセスメントを行います。

以下の事例にそって、急性心筋梗塞症状の把握に必要なフレーズを紹介します。


事例:52歳・男性
数日前から胸に締め付けられるような痛みを感じていたが、仕事が忙しく、安静にしていると数分で消失するため様子をみていた。いつも通り、昼食後に取り引き先へ向かう途中、突然ナイフで刺されたような胸の激痛に襲われ、その場にしゃがみこみ数回嘔吐。通行人が救急要請し、ERに搬送された。


本日のフレーズ

「今までニトロペン®やアスピリン、ほかの薬などでアレルギー反応や副作用が出たことはありますか?
酸素マスクをつけますね。点滴を始めます」

心筋梗塞の初期治療には、硝酸薬とアスピリンの内服が含まれます。すべての症例に適用ではありませんが、これらの薬に対しアレルギーや副作用の経験がないか把握しましょう。また、医療現場では、症状の把握と検温や医療行為は同時進行で行います。声かけをしながら迅速にすすめましょう。

さて、みなさんはどう英語で表現しますか?


1)MONAとは、Morphine, Oxygen, Nitrate, Aspirinの頭文字をとった心筋梗塞の初期治療です。
2)OLDCARTとは、Onset(発症),Location(症状のある部位),Duration(症状のある持続時間),Character(症状の性質), Aggravating/Alleviating factor(増悪・軽減要因),Radiation(症状の広がり),Timing (症状がいつ起こるのか) の頭文字をとった症状のアセスメントツールです。

おすすめのフレーズ

Have you ever had any allergic reactions or side effects from a medication such as Nitroglycerin, Aspirin, or others?
I am going to put on an oxygen mask on your face and start an IV.

過去の経験をたずねるフレーズの復習です。
「今まで~したことはありますか?」は「have you ever had~(before)?」でしたね。

「アレルギー反応」は「allergic reaction」です。何度も紹介しましたが、「アレルギー」は通じませんよ。「allergy」は「アラジ―」、「allergic reaction」は「アラジック リアクション」が英語に近い発音です。「副作用」は「side effect」です。

アレルギーや薬の副作用をたずねる表現は他にもいろいろあります。
例えば
●Are you allergic to any food? (食べ物のアレルギーはありますか?)
●Do you have any allergies to medication? (薬のアレルギーはありますか?)
●Have you ever experienced any reactions from any medications?
(今まで薬で何か反応が出たことはありますか?)

薬の例としてニトロペン®とアスピリンを挙げました。
医療者に馴染みのあるニトロペン®は、ニトログリセリンの製品名です。
ニトログリセリンは「Nitroglycerin」です。「ナイトログリセリン」が英語に近い発音です。

患者さんがアレルギーをもっている場合、こんな答えが返ってくるでしょう。
●I am allergic to morphine. (モルヒネのアレルギーがあります)
●I have an allergy to alcohol. (アルコールのアレルギーがあります)

薬や食べ物にアレルギーをもっている場合は、そのアレルギー反応についてたずねましょう。
●What was the allergic reaction? (どんなアレルギー反応が出ましたか?)

アレルギー反応には、蕁麻疹(hives)・発疹(rash)・かゆみ(itching)などの軽度のものから、生死にかかわるアナフィラキシー(anaphylaxis)までさまざまです。アレルギー反応の症状については、別の診療科で詳しく紹介します。

心筋梗塞の初期治療:MONAの1つに、酸素投与(Oxygen)があります。
「酸素マスクをつけます」は、「I am going to put on an oxygen mask on your face」を使いました。
「put on」を「place」に置き換えてもいいでしょう。

「点滴を始める」は「start an IV」を使いました。
「IV」は「intravenous」の略語です。「intravenous」は「静脈の」という意味で、点滴治療(intravenous therapy)を指しています。「IV」は、患者さんにも浸透している医療用語の略語です。

本日のマメ知識

心筋梗塞の初期治療:MONAが変わる!?

アメリカ心臓協会(AHA)や日本循環器学会のガイドラインによると、心筋梗塞の初期治療には、MONA(モルヒネ、酸素、硝酸薬、アスピリン)の投与が推奨されています。しかし現在、モルヒネや酸素投与には、有効性よりも有害性が懸念されています。2017年8月、欧州心臓病学会において、急性心筋梗塞患者の酸素投与に効果はない、という研究結果が報告されました。今後、心筋梗塞の初期治療ガイドラインは見直されていくかもしれませんね。


次回は、アスピリンを噛み砕いて飲んでもらうときのフレーズを紹介します。

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