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症状の聴取を英語でするには?[循環器科編84]のサムネイル画像
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外国人患者さんに英語で対応できる? アメリカの医療現場で実際に使われている、患者さんにもすんなり伝わる簡単な医療英語をマスターしよう!


患者さんに一番近い存在の看護師は、「今日はどうされましたか?」から始め、症状を聞いて患者さんに起こっている健康問題の把握を行います。外国人の患者さんに対してもコミュニケーションを通して主観的情報を収集し、客観的情報と合わせて全身状態の把握が必要ですね。
今回は、心不全の症状の聴取に必要なフレーズを紹介します。

心不全(heart failure)とは、心臓のポンプ機能が低下して、全身に血液を送り出すことができなくなった結果、息切れ、呼吸困難、むくみなどの症状が出現した状態をいいます。
心不全はきちんと治療をしないと、再発を繰り返し、徐々に進行して重篤化します。医療従事者だけではなく、患者さん本人やご家族が、病気をきちんと理解し治療に参加することが大切です。
心不全の治療法は、①症状を軽くする治療、②心不全の原因を治す治療、③心筋や血管を保護する治療、④生活指導の介入など心不全悪化のきっかけを取り除く治療、の4つに分類されます。
看護師は、OLDCARTに沿った心不全症状のアセスメントを行い、迅速な状態把握と全身観察に努めます。
今回は、以下の事例に沿って心不全の把握に必要なフレーズを紹介します。


事例:75 歳・男性
既往歴は、心筋梗塞・高血圧 ・2型糖尿病・心房細動があり、循環器外来を定期受診している。
手術歴は、1年前に冠動脈バイパス術(CABG)を施行している。
1カ月前から階段歩行などの労作時に呼吸苦や息切れ・動悸が出現する。安静にすると症状は治まり、夜もしっかり眠れたため様子をみていた。
1週間前から、全身倦怠感と息切れがひどくなり、昼夜問わず泡沫状の咳と痰が出て、横になって眠ることができなくなった。顔や手足にはむくみが出現し、ここ1週間で体重が3kg増えたため、かかりつけ医を受診する。
来院時、意識レベルクリア、血圧160/115mmHg、 脈94回/分、体温36.4℃、呼吸26 /分、SpO293%
主訴には「1カ月前から動くと息が切れて苦しい、最近は咳がひどくてあまり眠れない」と記載されていた。


本日のフレーズ

「体の酸素の値は89%です。かなり低いですね。今、息切れや呼吸がしにくくないですか?
もともとCOPDや喘息などの呼吸器疾患の既往はありませんか?」

主訴に呼吸症状があり、SpO2の値も低くなっています。酸素投与を検討する際に必要な情報を把握しましょう。

さて、みなさんはどう英語で表現しますか?


*OLDCARTとは、Onset(発症)、Location(症状のある部位)、Duration(症状のある持続時間)、Character(症状の性質)、Aggravating/Alleviating factor(増悪・軽減要因)、Radiation(症状の広がり)、Timing(症状がいつ起こるのか)の頭文字をとった症状のアセスメントツールです。

オススメのフレーズ

Your oxygen level is 89%. It means your blood oxygen level is considerably low. Do you have shortness of breath or trouble breathing right now?
Do you have a history of COPD, asthma or any other respiratory diseases?

「体の酸素の値は89%ですね」は、「your oxygen level is 89%」を使いました。
「体の酸素の値」は「your oxygen level」を使いましたが、正確には「血中酸素飽和度(Blood Oxygen Saturation ;SpO2)」といい、指を挟んで使うパルスオキシメーターを用いて測定します。

「かなり低いですね」は、「it means your oxygen level is considerably low」を使いました。
「considerably」は「かなり」「相当」という意味です。
血中酸素飽和度の正常範囲は96%以上といわれていますが、高齢になると低下する傾向にあります。

「今、息切れや呼吸がしにくくないですか?」は、「do you have shortness of breath or trouble breathing right now?」を使いました。

「もともとCOPDや喘息などの呼吸器疾患の既往はありませんか?」は「do you have a history of COPD, asthma or any other respiratory diseases?」を使いました。
「COPD」とは「慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)」の頭文字をとった略語ですが、英語圏では一般的に広く知られています。COPDのある患者さんに酸素投与を行う際は、常にCO2ナルコーシスのリスクを想定する必要があるため、既往を確認しておきましょう。
「ナルコーシス(narcosis)」とは「昏睡」という意味です。
COPDのある患者さんへの酸素投与によるCO2ナルコーシスとは、
酸素投与をする→体内の酸素量が増えて呼吸回数が減る→二酸化炭素の排出ができない→血中の二酸化炭素量が過剰になる→意識障害が起こる、
という機序で起こります。

酸素投与を行う際には、医師の指示を確認し低流量から開始します。


次回は、採血や心電図などの検査を誘導する際に必要な声掛けのフレーズを紹介します。

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