佐藤まりこ
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外国人患者さんに英語で対応できる? アメリカの医療現場で実際に使われている、患者さんにもすんなり伝わる簡単な医療英語をマスターしよう!
患者さんに一番近い存在の看護師は、「今日はどうされましたか?」から始め、症状を聞いて患者さんにおこっている健康問題の把握を行います。外国人の患者さんに対してもコミュニケーションを通して主観的情報を収集し、客観的情報と合わせて全身状態の把握が必要ですね。
今回は、急性心筋梗塞の症状の聴取に必要なフレーズを紹介します。
急性心筋梗塞の治療のPOINTは、早期診断と早期治療です。
急性心筋梗塞の患者さんが、来院してから冠動脈の閉塞部位の再灌流までの時間:DTBT(Door To Balloon Time)は、循環器のガイドラインにより90分以内が望ましいとされています。DTBTが早ければ早いほど救命率は上がり、その後の社会復帰に影響を及ぼします。
看護師は、すぐにバイタルサインの測定と12誘導、点滴ラインの確保や心筋梗塞の初期治療として知られるMONA(モルヒネ、酸素、硝酸薬、アスピリン)1)投与の準備・実施を行います。同時にOLDCART2)に沿った症状のアセスメントを行います。
以下の事例にそって、急性心筋梗塞症状の把握に必要なフレーズを紹介します。
事例:52歳・男性
数日前から胸に締め付けられるような痛みを感じていたが、仕事が忙しく、安静にしていると数分で消失するため様子をみていた。いつも通り、昼食後に取り引き先へ向かう途中、突然ナイフで刺されたような胸の激痛に襲われ、その場にしゃがみこみ数回嘔吐。通行人が救急要請し、ERに搬送された。
本日のフレーズ
「どんな胸の痛みですか? 血圧を測って心電図を付けますね。
しっかりと上を向いて、少しの間だけじっとしていてください」
胸の痛みの性状を確認しましょう。医療現場では、症状の把握と検温や医療行為は同時進行で行います。患者さんは胸の激痛により強い不安や恐怖感を抱いているはずです。しっかりと声かけをし、患者さんが少しでも安心感を得られるように心がけましょう。
さて、みなさんはどう英語で表現しますか?
1)MONAとは、Morphine, Oxygen, Nitrate, Aspirinの頭文字をとった心筋梗塞の初期治療です。
2)OLDCARTとは、Onset(発症),Location(症状のある部位),Duration(症状のある持続時間),Character(症状の性質), Aggravating/Alleviating factor(増悪・軽減要因),Radiation(症状の広がり),Timing (症状がいつ起こるのか) の頭文字をとった症状のアセスメントツールです。
おすすめのフレーズ
What is your chest pain like? Let me take your blood pressure and hook up ECG monitor.
Please lie flat on your back and stay still for a moment.
「どんな胸の痛みですか」は「What is your chest pain like?」を使いました。
「What is ~ like?」は、症状の性状を聞くときに使えるフレーズです。
症状についてもっと詳しく教えてほしいときには、「Can you describe your chest pain more for me?」が使えます。
「describe」は、「言い表す、説明する」という意味です。患者さんに状況を説明してほしいときに使える動詞です。また、「your chest pain」を「it」に置き換えて、「what is it like?」や「can you describe it more for me ?」と短くしてもいいでしょう。
事例の患者さんは、ナイフで刺されたような胸の激痛を訴えていたので、こんな答えが返ってくるでしょう。
●My chest very hurts. It feels like being stabbed by a knife.
(胸がすごく痛い。ナイフで刺されたような感じです)
●My chest is horrible painful. It feels like a knife in my chest.
(胸がひどく痛い。胸にナイフが刺さっているみたいです)
症状の把握をしながら、検温も同時に進めていきます。
ERの現場では、救急隊に搬送されてきた患者さんが病院のベッドに移動すると同時に、血圧測定や心電図の装着、酸素投与、血管確保、採血などを実施します。
まずは血圧を測り、心電図を接続する際の声かけの復習です。
血圧測定は「Let me take your blood pressure」を使いました。
「Let me take your ~」は、脈拍や体温などを測るときにも使える便利なフレーズです。
心電図をつけるときには「hook up EKG monitor」を使いました。
「hook up」は「~を接続する・~をつける」という意味です。
日本では、心電図モニターは「Electrocardiogram」の略語:ECGを用いますが、英語圏ではドイツ語由来の「Elektrokardiogramm」の略語:EKGが一般的に浸透しています。
激しい胸痛のある患者さんは、ストレッチャーの上でじっとしていることが難しく、心電図をとる際は声かけが必要です。
「しっかり上を向いてじっとしていてください」は「Please lie flat on your back and stay still」を使いました。
「しっかり上を向いてください」は「Please lie flat on your back」です。
「lie flat」は「平らに横になる」=「しっかりと横になる」ことを指しています。
「上を向く」は、ベッドに背中がついている状態なので「on your back」を使いました。「back」は「背中」という意味です。
「じっとしていてください」は「stay still」を使いました。「still」には「じっとした、静止した」という意味があります。
「少しの間だけ」は「for a moment」を使いました。
次回は、過去の胸部症状の有無や既往歴を尋ねるフレーズを紹介します。
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