佐藤まりこ
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外国人患者さんに英語で対応できる? アメリカの医療現場で実際に使われている、患者さんにもすんなり伝わる簡単な医療英語をマスターしよう!
患者さんに一番近い存在の看護師は、「今日はどうされました?」から始め、症状を聞いて患者さんに起こっている健康問題の把握を行います。外国人の患者さんに対してもコミュニケーションを通して主観的情報を収集し、客観的情報と合わせて全身状態を把握することが必要ですね。
今回から消化器編が始まります。
主な食道・胃・大腸の消化器疾患と肝胆膵疾患それぞれの原因・症状・事例を紹介します。
今回は、主な食道の疾患:胃酸の逆流と胃食道逆流症の原因・症状・事例を紹介します。
胃酸の逆流(acid reflux)は、胃液や胃の内容物が食道に逆流して、胸やけなどの症状を引き起こす現象です。この逆流によって食道粘膜が傷つくと逆流性食道炎(reflux esophagitis)という疾患になります。
週2回以上のacid refluxによる胸やけなどの不快な症状が続く疾患を、胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease)といいます。頭文字をとってGERD(ガード)と呼びます。
Acid refluxやGERDは、命にかかわるような疾患ではありませんが、近年増加傾向にあり、食事が楽しめない・ぐっすり眠れないなど、生活の質(QOL)に影響を及ぼします。
多くの患者さんは、生活習慣の改善や内服治療によって症状が改善するため、教育的なかかわりや支援が重要になります。
本日のレッスン
胃酸の逆流と胃食道逆流症の原因と、説明に必要なフレーズ①
患者さんへの問診時、どのような情報に注目し情報収集をすべきか、Acid reflux ・GERDの原因や発症リスクを知ることは重要です。Acid reflux ・GERDの原因と、患者さんへの説明に使えるフレーズを3回に分けて紹介します。
主な胃酸の逆流と胃食道逆流症の原因(Causes of acid reflux and GERD)①
胃酸や胃の内容物の逆流が起こる原因は、食道と胃のつなぎめにあたる下部食道括約筋(lower esophageal sphincter: LES)の筋力低下があげられます。この筋肉がゆるむと胃酸や胃の内容物が食道に逆流しやすくなります。加齢によって筋力が低下するため高齢者の病気を考えられてきましたが、最近は生活習慣などが関与し若者にもみられ増加傾向にあります。
今回は、8つの主なAcid refluxとGERDの原因と、説明に必要なフレーズを紹介します。
1.食道裂孔ヘルニア(Hiatal hernia)
食道裂孔ヘルニア(Hiatal hernia)とは、横隔膜(diaphragm)よりも下にある胃の上部が胸の方へ上がってしまった状態をいいます。この状態では、下部食道括約筋(lower esophageal sphincter: LES)の筋力が低下し、胃酸などの逆流が起こりやすくなります。
「Hiatal hernia」は「ハイエィタル ハァーニア」が英語に近い発音です。
「ヘルニア」は、カタカナ英語なので発音に注意が必要です。
患者さんへの説明は以下の文が使えます。
●A hiatal hernia is a condition that the upper part of the stomach slips up into the chest.
(食道裂孔ヘルニアとは胃の上部が胸に上がってしまった状態です)
*「slip up」は「push up」「slide up」「move up」などに置き換えてもいいでしょう。
●A hiatal hernia occurs when the junction between your food tube and your stomach pushes up into your chest.
(食道裂孔ヘルニアは食道と胃のつなぎ目が胸の方に上がることで起こります)
*「food tube」は「esophagus」に置き換えても構いませんが、「esophagus」は医療英語のため通じない可能性があります。
2.肥満 (Obesity)
肥満でお腹が出ている人は、腹圧がかかって胃酸の逆流が起こりやすくなります。食道裂孔ヘルニアの原因の1つとしてもあげられ、特におなか周りがふくよかになる中高年の女性にacid refluxやGERDが多いという報告もあります。
肥満の患者さんには、減量(lose weight)をすすめて症状の改善を促します。
患者さんへの説明には以下の文が使えます。
●Extra stomach fat puts pressure on the stomach, pushing acid into your food tube. Try to lose weight.
(余分なおなか周りのお肉でお腹に圧がかかり、胃酸が食道に押し上がってきます。減量しましょう)
3.喫煙 (smoke)
タバコは、下部食道括約筋(lower esophageal sphincter: LES)の筋力をゆるめ、胃酸の分泌を促し、acid refluxの悪化を招くといわれています。また、唾液の分泌も抑えて胃酸の中和能力を下げるため、胃酸が逆流すると食道の粘膜にさらなるダメージを与えます。
タバコは、食道がんのリスクを高めることでも知られているので、喫煙習慣のある人には禁煙を強くすすめます。
患者さんへの説明には以下の文が使えます。
●Smoking increases stomach acid and reduces your saliva. These can increase your discomfort acid reflux symptoms. Stop smoking.
(喫煙は胃酸を増やして唾液を減らします。こうしたことが胃酸の逆流でおこる不快な症状を強くします。たばこはやめましょう)
次回も、Acid reflux・GERDの原因と、説明に必要なフレーズ②を紹介します。
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