
前回から引き続いて、今回も途上国での画像診断と医療支援のお話をさせていただきます。
必要なものは装置だけではない-発展途上国での現状-
言葉では知っているつもりでも、実際には経験してみないとなかなかわからないということは数多くあります。この国への寄贈の経験も、そういったものでした。例えば、我々が寄贈した血液透析機ですが、日本では人工透析と言えば、慢性腎不全の患者様が定期的に実施するものという認識が強いのではないかと思いますが、その国では、蛇毒による急性腎不全の治療にもっぱら使われていました。
さらに言えば、その国では長期間、定期的に透析を受けれるような経済状態の方は、ごく少数だったのです。でもそれらの装置は、我々の思惑とは大きく異なっていたとはいえ、役に立っていました。MRI装置はどうでしょうか。今日、日本では超電導を利用した高磁場MRI装置が主流です。常磁石を利用した低磁場装置に比べると、画質も良く、得られる情報も豊富なのですが、はたして超電導装置は、適切な選択なのでしょうか。
我々が日常MRI検査を行う過程を少し考えてみましょう。まず、MRI装置が置かれている部屋を思い出してみてください。部屋の壁にはシールドという特殊な加工が施され、内部の強力な磁場や電波がもれたり、外部からのこれらの影響を受けないようにされています。内部は安定した空調によって、一定の環境に保たれています。検査室の横にはコンピュータが置かれている部屋もあると思います。コンピュータは著しく発熱するため、安定した稼働のためにはやはり空調が必要です。
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