日々の看護場面でドキッとした経験はありませんか?大きな事故につながらなくても、そんな経験は減らしたいもの。2015年10月の医療事故調査制度スタートとともに、いま医療安全の意識が高まっています。この機会に、看護師が遭遇しやすいヒヤリ・ハット事例から、日常に潜む「あぶないケア」を見直して、その根拠と対策から安全な看護を実現しましょう。
Case3
熱中症による高熱、意識障害で入院してきた患者さんは、意識がはっきりせず食べられない状態で、主治医から経鼻栄養チューブを入れる指示が出されました。
新人の看護師Kが経鼻栄養チューブの準備を行い、決められた手順に従い挿入しました。
事前に患者の鼻から耳、そして心窩部の長さを測定し、チューブ挿入の長さに印をつけて、経鼻栄養チューブを挿入。聴診器を心窩部にあてて、「ぽこぽこ」という気泡音を確認し、その後観察しましたが、患者の意識がないため反応は見られませんでした。
このナースはこの場面でどのように考えたのでしょうか?
ナースはこう考えた
患者さんの意識はないけど、心窩部からちゃんと音が聞こえたから大丈夫。 チューブはきちんと挿入されているな。
看護師Kは、栄養剤500mLを注入しました。
翌朝、その日受け持ちになった看護師Lも聴診による気泡音を確認し、栄養剤約270mLを注入しました。そして10時半頃、看護師Lは呼吸の異常で異変に気づき、医師に連絡し、救急処置を行いました。
このままいくと・・・
誤ったチューブ挿入のまま注入を続けると、肺に栄養剤が貯留し、肺梗塞、呼吸不全、感染症、そして心不全を併発して死に至ります。この事例の場合も、患者さんは重症肺炎などを併発し死亡しました。
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