はっきりとした予兆もなく、患者さんが急変したり、重篤な疾患が進行していたりする経験があると思います。そのような急変に先立って、先輩の看護師や医師から「あの患者、何かヘンだよね」という直感的な台詞を聞いたことがあるかもしれません。
この連載では、急変前の「何かヘン」と感じる患者への直感的な違和感について解説し、急変を見抜く力を養います。
自覚症状は看護師の「五感」で察知するわけではありません。しかし、なかには “何かヘンだ”と、看護師の直感を刺激する患者さんの訴えがあります。それが急性の気分不快、すなわち“気分が悪い”や“気持ちが悪い”です。実は、気分不快は「生き残りシステム」と深い関連があります。
「生き残りシステム」と自覚症状
生命の危機に対して「生き残りシステム」は活性化します。自分の意思に関係なく自動的に「身体」が反応するのですが、多くの場合、活性化していることを「心」が自覚(経験/体験)します。これが「不快感」です。ただし、自覚の程度には個人差があります。
そもそも「自覚症状」とはどのようなものでしょうか?例として、よくある症状の定義を以下に挙げてみます。
- 「痛み」:実際に何らかの組織損傷が起こった時、あるいは組織損傷が起こりそうな時、あるいはそのような損傷の際に表現されるような、不快な感覚体験および情動体験(国際疼痛学会)
- 「呼吸困難」:さまざまな強さの質的に異なる感覚からなる、呼吸が不快だという主体的な体験(アメリカ胸部疾患学会)
- 「悪心」:上腹部から咽頭にかけて感じられる、今にも嘔吐しそうな不快感(杉本恒明(編):内科鑑別診断学. 朝倉書店, 東京, 2003)
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