
病院をはじめとした看護師の職場では、「普通の休暇ですらなかなかとりにくいのに、有休なんて夢のまた夢・・・」というケースも少なくないのではないでしょうか。しかし・・・2019年4月の法改正により、「有給休暇(有休)取得が義務化」されているんです。

1年で5日間“有給”を取得させないと1人あたり最大30万円の罰金が!
2019年4月に施行された「有給取得の義務化」によって、看護師も有給を取得しやすくなるのでしょうか?
この法律のポイントは、企業(病院)が「有給の付与基準が10日以上の労働者に対し、1年で5日、時季を指定して有給を取得させなければいけない」という点です。
有給の付与基準が10日以上というのは、一般的に正社員として働いている方であれば、ほぼ条件に当てはまります。看護師も同様です。この義務に違反した企業(病院)側は、労働者1人につき30万円以下の罰金を支払わなくてはいけません。
「有給が使えない」から「1年に5日は必ず使える」ようになる!
病院など医療機関で働く看護師の方の中には、「有給が使えなくて、どんどんたまっている」という方もいらっしゃるかと思います。しかし2019年度からは、「1年間で最低でも5日間は有給を取得させること」が病院の義務となったため、誰でも平等に5日間は有給を取得することができるようになります。
「新人だし・・・」「家庭持ちの人が優先だから・・・」と有給を使いづらかった方は、今回の法改正によって、有給が取得しやすくなったといえるでしょう。
有給を取得しやすくなることによって、こんなケースも・・・
とはいえ、今までのことを考えると、いろいろな不安も出てくるかと思います。例えば、こんな経験ありませんか?
有給取得に対して、先輩から文句を言われる
旅行などのために有給を取得しようとすると、「いいわね~あなたは自分のために有給がとれて・・・私なんて、家族がいるから自分のために有給を使うなんてできないわ」なんて、先輩から文句を言われたこと、ありませんか?有給はどのように使っても良いはずなのに、文句を言われてしまうと楽しさも半減してしまいますよね。
体調不良時に有給日数が足りなくなってしまう
看護師の職場の多くは、24時間365日のシフト制勤務。体調不良などで突発的にお休みをとらなければいけない場合のために、有給を「とっておく」ため、あえて取得しないという方もいらっしゃると思います。
しかし、これからは職場に「年に5日は有給を取得させる」という義務ができたため、有給をとっておきたいと考えている方でも、年に5日間は有給を取得しなければいけません。そのため、体調不良によって長期間休まなければいけなくなってしまった時などに、有給が足りずに欠勤となってしまう可能性があります。
特にまだ勤続年数が浅く、有給の付与日数が少ない方にとって、「5日間取得しなければいけない」というのは「体調不良時に有給日数が足りなくなってしまう」というリスクも伴うともいえるため、注意が必要です。
誰もが「有給を取得しやすい環境」にするために
職員全員が有給を気兼ねなく使うために・・・同僚間でどのようなことに気をつけるとよいでしょうか?

職場へ過度に気を遣わない
「看護師として働くには、奉仕の考えが必須」だと思っていませんか?
「本当はこの日休みたいけれど、その日はオペ日で病棟が忙しいから、休みづらい」「この日は勤務できる人数が少ないのに、私も休んでしまうのは申し訳ない」・・・そう思うと、なかなか有給もとりづらくなってしまいます。
そこで「過度な心配」をするのを止め、休みが欲しい日は思い切ってそれを伝えるということが大切です。一人休んでも、意外と職場はなんとかなるものです。
休みを希望する代わりに、その代替え案を提案する
新人、子育て中、闘病中・・・看護師として働く人たちはそれぞれ、なんらかの事情を抱えながら仕事をしています。だからこそ、事情に限らず、誰もが平等に休める環境を作ることが大切となります。
「子どもがいるから、土日祝日は休みたい」
「彼の仕事が水曜日休みだから、毎週水曜日は休みか夜勤明けにしたい」
それぞれの事情をすべて叶えることは難しいからこそ、「この土日は休みたいけれど、代わりにこのイベントの日は夜勤をするよ」「水曜日はお休みした代わりに、祝日は出勤するよ」というように、それぞれが希望に合わせて別の日に協力しあうことが、お互いに休みやすい雰囲気を作る上で大切になります。
休みの内容をお互い探索しない
有給の取得は労働者の権利です。「なぜその有給を取得するのか」という有給取得の理由を説明する必要はありません。「私は子供のイベントで休むのに、彼女はライブへ行くために休みを取得した」など干渉しないことです。
それぞれが自由に休みを取得しやすくするためにも、休みの内容についてお互い詮索しないというのも大切なことだと思います。
休みを取るのは悪いこと、という考え方を変えよう
予定していたにせよ、突発的だったにせよ、有給を取得することは労働者の権利です。
以前筆者は、「休みを取得したときは“謝る”のではなく、“お休みありがとうございました”と、お礼を言えば良い」と先輩から教わりました。休みをとるのは悪いこと、という考え方を職員全員が変えること。それが、有給を取得しやすく、誰もが働きやすい職場になる第一歩ではないでしょうか。
この記事を書いたのは
山村 真子
看護師として働きながら、ライターの仕事もしている、アラフォーママナース。看護系以外にも、育児や病気、介護など幅広い分野の執筆を行っています。時短勤務中だが、毎日定時に帰れるはずもなく、保育園の送迎はいつもギリギリなのが最近の悩み。
イラスト・k.nakano
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