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【高血糖の患者さん】事例で見る検査値の活かし方のサムネイル画像

検査値を患者さんの病態とどうつなげて考えればよいかわからない──。
そんな声に応えて、入院時からの経過と検査値の推移を見ながら、数値の示す意味や看護への活かし方を、4つの事例で検討します。


事例1 高血糖の自覚症状を訴えて教育入院になった患者さん

Aさん(55歳、女性)は、全身倦怠感と口渇、体重減少で外来を受診しました。その時点で、血糖が298mg/dL、HbA1cが14.7%と非常に高いことから、糖尿病と診断されました。

また、尿検査で蛋白が2+、血液検査でクレアチニンが1.8mg/dL、尿素窒素が35.1mg/dLと高く、腎障害があり、糖尿病腎症を発症していることがわかりました。

Aさんは以前の健康診断で、血糖値が高いと指摘されていましたが、これまで治療は全くしていません。初診時の主訴のほかにも、手足のしびれや痛みなどの神経症状があり、自覚症状はないものの網膜症も併発しています。

まずはインスリンを使って血糖値をコントロールする必要があるため、2週間の教育入院となりました。

入院中は、インスリンの量を調整しながら、インスリン注射の正しい手技の習得、体重管理のための運動習慣と食事療法、感染症に対するセルフケアなどの指導が、看護師を中心に行われました。

その結果、退院時には血糖を200mg/dL以下に下げることができました。足のしびれなどの神経症状に関しては、あまり改善しませんでしたが、口渇は改善し、総コレステロールや中性脂肪も低下しました。

高血糖事例
高血糖事例②

検査値の推移

診断・治療のポイント!

  1. ●血糖が298mg/dL、HbA1cが14.7%と、糖尿病の数値が非常に高く、しかもクレアチニンが1.8mg/dL、尿素窒素が35.1mg/dLであることから、すでに糖尿病腎症を発症しています。
  2. ●また、手足のしびれや痛みという自覚症状があるので、糖尿病神経障害も発症しています。
  3. ●合併症は、糖尿病の発症から約5年で神経障害が、7年程度で網膜症が、約10年で腎症が発症すると言われています。Aさんの場合は、すでに糖尿病腎症が発症しており、今のところ自覚症状はないものの、糖尿病網膜症も発症していると思われます。
  4. ●Aさんは、これまで糖尿病の治療を全くしてこなかったので、まずは血糖のコントロールと、インスリン注射の手技の習得、体重の管理、食事療法を目的に、2週間の教育入院となりました。
  5. ●入院期間が2週間と限られているので、血糖値を指標にインスリン量を調節し、糖尿病のコントロールに努めます。
  6. ●短い期間に急速に血糖を下げようとすると、網膜症が悪化してしまうことがあります。そこで血糖値は、まずは空腹時血糖を140~160mg/dL以下、食後血糖を200mg/dL以下に設定し、徐々に空腹時血糖80~110mg/dL、食後血糖150mg/dL前後を目指します。
  7. ●血糖コントロールがうまくできるようになれば、HbA1cも後から低下していきます。HbA1cは時間をかけて少しずつ下げ、まずはNGSP値(国際基準値)8%、最終的には6.5~7%が目標値です。それまでは長い道程であり、看護師にはその間の患者さんを支えることも指導といえます。

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