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第3回 せん妄って何?③せん妄の主な症状ー幻覚ーのサムネイル画像
取材
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餅田 佳美(もちだ よしみ)

東大阪市立総合病院 医療安全管理室 室長

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大きな手術後やがんの終末期などに極めて高頻度にみられる「せん妄」。せん妄は、注意力や意識が低下することで患者さんが転倒・転落したり、幻覚が見えて暴れたりと治療を大きく阻害するものです。特に低活動型のせん妄は見落としがち。本連載ではそんなせん妄へのアプローチ法をやさしく解説します。


▼せん妄についてまとめて読むならコチラ
せん妄とは? せん妄の症状と看護


今春から外科病棟に配属された看護師のAさん。担当患者さんが手術後にせん妄を発症してしまい、日夜悪戦苦闘・・・。これを機に、せん妄について体系的に勉強したいと考えています。

せん妄で幻覚がでた時は?

看護師Aさん:「せん妄の患者さんで幻覚を訴える人がいるのですが、どのように関わったらいいのか、わからなくて困っています。幻覚について詳しく教えてもらえますか?」

井上先生:「では、今回は幻覚について解説しましょう。せん妄でみられる幻覚は幻視がほとんどですが、ここでは幻覚としておきます。

まず、患者さんに幻覚の症状があるかどうかは、どうやって評価していますか?」

看護師Aさん:「『そこに人がいる』とか、『壁に絵が書いてある』など、おかしな発言があるかどうかで評価しています」

井上先生:「なるほど。では、そのような発言がみられない場合は?」

看護師Aさん:「あえて詳しくは聞いていません。でも、幻覚がある患者さんは大抵そのことを言うのではないでしょうか?」

井上先生:「そのように考える医療スタッフは多いようですね。

ただし、実際にはちゃんと教えてくれる患者さんばかりではありません。患者さんによって、どこか不思議と思っている場合は『こんなことを言うと変に思われるかも知れない』と考えて隠す人もいますし、逆に『自分だけでなく他の人にも見えている』と感じてわざわざ言わない人もいるんですよ」

看護師Aさん:「そうなんですか。全然知りませんでした。何も言わない患者さんでも、幻覚があるかも知れないということなんですね」

井上先生:「その通りです。 看護記録で「幻覚なし」という記載を見かけますが、実際に患者さんに詳しく聞くとありありとした幻覚を認めていることがしばしばあります。したがって、医療スタッフが幻覚の有無についてしっかり確認することが大切です」

次のページは「せん妄の幻覚の有無を上手に聞きだすには?」です。

せん妄の幻覚の有無を上手に聞きだすには?

看護師Aさん:「これからはそのようにしたいと思います。具体的に、どのように聞けばよいのでしょうか?」

井上先生:「そうですね。ポイントは2つあります。 まず1つ目ですが、『幻が見えますか?』と聞いてもだめですよね」

看護師Aさん:「患者さん自身は幻と思っていないかも知れないからですね。となると、聞き方は工夫する必要がありそうです」

井上先生:「幻覚は、ふだんは見えていないものですよね。ですので、平常時との比較をしてもらうことです。『いつもと違ったものが見えたり、ふだんと見え方が違うようなことがありますか?』といった質問がよいでしょう。」

看護師Aさん:「なるほど。それなら聞かれたほうも答えやすいですね。2つ目のポイントは何でしょうか?」

井上先生:「2つ目は、『せん妄で幻覚がみられることは決しておかしいことではない』ということをきちんと伝えることです」

看護師Aさん:「患者さんによっては『変になったと思われたくない』と思って隠そうとするので、十分説明しておくわけですね」

井上先生:「その通りで、『お身体がしんどい時などには、それが原因でそういったことがしばしば起こるんですよ』などと声をかけておくことが大切です」

図1 幻覚を上手に聞きだす工夫

看護師Aさん:「ありがとうございました。実際に使ってみたいと思います」

井上先生:「今回はここまでです。次回はせん妄のサブタイプについて、特に低活動型せん妄を取りあげてみたいと思います」

看護師Aさん:「楽しみにしています!」

次回は「低活動型せん妄」について解説します。

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