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解説
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岩見 明子

大阪公立大学医学部附属病院 化学療法センター がん化学療法看護 認定看護師

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問題の解説

 肝硬変は、肝臓の慢性的な炎症によって肝細胞が線維化し、肝機能が障害される疾患です。肝硬変によって肝臓の機能が低下することでタンパク質の合成能が減少することから血清アルブミンは低下します。また、凝固因子もタンパク質であるため肝臓で作ることでできなくなっていきます。そのため、血液が固まるまでの時間が長くなりプロトロンビン時間(PT)は延長し、検査値としては高い値を示します。

 その他の肝臓の機能として解毒・分解作用もあり、その力が減少するためビリルビンやアンモニアは身体に貯留していき、高値を示します。 以上より、肝硬変によって肝臓の機能が障害されることで基準値より低い値を示す血液項目は1.血清アルブミンとなります(表1)。

表1 肝臓に関連した検査値

検査項目疑われる疾患や異常
血清アルブミン基準値よりも高い脱水
基準値よりも低い栄養失調、ネフローゼ、肝疾患など
血清ビリルビン基準値よりも高い黄疸、肝疾患など
基準値よりも低い小球性低色素性貧血
血中アンモニア基準値よりも高い肝硬変、肝性脳症、劇症肝炎など
プロトロンビン時間延長を示している肝障害、播種性血管内凝固など
短縮を示している
血栓性静脈炎など

肝臓に関する知識のおさらい

 肝臓は横隔膜の下、右上腹部に位置する臓器です。脂質・糖質・タンパク質の代謝、胆汁の生成。凝固因子の生成、ヘモグロビンの代謝によって生じるビリルビンやアンモニアを解毒し尿素に変換するなどのさまざまな機能があります。ウィルス性やアルコール性など何らかの要因で肝臓が障害され肝細胞の破壊と再生が慢性的に生じることで、徐々に肝細胞の線維化が起こり、最終的に肝硬変となります。進行に伴い肝臓の機能は障害されていくため、重症度の評価としてChild-Pugh分類が使用されます(表2)。その際にビリルビン、アルブミン、プロトロンビン(凝固因子)などが使用されます。

表2 Child-Pugh分類

1点2点3点
肝性脳症0軽度(Ⅰ〜Ⅱ度)ときどき昏睡(Ⅲ度以上)
腹水なし少量中等度
T-Bil(mg/dL)<2mg/dL2〜3mg/dL>3mg_dL
Alb(g/dL)>3.5g/dL2.8〜3.5g/dL>2.8g/dL
PT(%)>70%40〜70%<40%

gradeA 5〜6点(代償性肝硬変)

gradeB 7〜9点(中等度の肝硬変)

gradeC 10〜15点(非代償性肝硬変)

日本臨床検査医学会ガイドライン作成委員会,編:臨床検査のガイドラインJSLM2021 検査値アプローチ/症候/疾患.日本臨床検査医学会,2021,p.332より引用、一部改変

 また、アルブミンの低下に伴う腹水や浮腫の出現、ビリルビンの増加に伴う黄疸や掻痒感、アンモニアの貯留による肝性脳症が生じるリスク、肝硬変による門脈圧亢進に伴う食道胃静脈瘤の破裂から出血リスクなど肝臓という1つの臓器から全身状態に影響を及ぼしていきます。

 看護師は、肝機能に関する検査値の変化を総合的に評価し、患者さんの状態に応じた適切なケアを実施することが求められます。肝硬変の要因によって禁酒、塩分制限や飲水制限、継続した体重測定など患者さんが自身の生活をより良いものにできるように指導・助言を行っていきます。そして、肝硬変に関する合併症の予防や異常の早期発見、QOLの維持・向上に努めていくことが大切です。

ポイント

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