便利な時代になりましたね。かつては・・・と言いましても、私が医師になり、高カロリー輸液を処方するようになった頃は、糖電解質液、アミノ酸液、電解質液、脂肪乳剤は発売されていました。しかし、総合ビタミン剤と微量元素製剤はまだ開発中でした。現在は、高カロリー輸液基本液もダブルバッグ、トリプルバッグ、クワドルプルバックが発売され、本当、何も考えなくても、深い知識がなくても、高カロリー輸液が実施できるようになりました。この「実施できるようになりました」が問題で、その前に「とりあえず」という表現をせざるをえないように思っています。
ここで大事なことは、このTPNキット製剤を使えば、本当に簡単に高カロリー輸液ができる、と考えてしまうようになってはいないか、ということです。本来、糖を何グラム、アミノ酸を何グラム投与し、その比率はどうすれば一番生体にとって有利なのか、と考え、脂肪乳剤も投与しないと脂肪肝になるし、ビタミンも適正量をきちんと投与して、微量元素も日本に1種類しかない製剤(図1)をきちんと投与しなければならないな、と考えて高カロリー輸液を実施しなければならないはずなのです。もちろん、その効果をモニタリングすることも重要です。しかし、ここまで考えて高カロリー輸液を実施している方はどのくらいいるのでしょうか。
今回は、世界に類を見ない、便利なTPNキット製剤の意義と問題点について考えてみました。
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