
公益財団法人 日本医療機能評価機構
監修者の記事一覧たんぱく質制限は画一的に行わない
人間の身体になくてはならない栄養素のうち、特に重要なものと位置づけられている「たんぱく質・炭水化物・脂質」を『三大栄養素』といいます。この中で、炭水化物と脂質は身体を動かすエネルギーとして使われた後、呼気(二酸化炭素)や汗(水)や尿となって排泄されます。
しかし、たんぱく質は分解されると7~8割は窒素を含んだ老廃物となり、この老廃物を除去し体外に排泄するのが腎臓の働きです。腎機能が正常であれば、それを処理するのに十分な糸球体の濾過機能があります。しかし腎機能が低下していると、残った糸球体1つ1つがその能力を超えて処理をしようとするため負担がかかります(糸球体過剰濾過)。この状態が長く続くことで徐々に糸球体の濾過機能も落ちてきてしまうため、CKDではたんぱく質の摂取制限が必要となってきます。
一方、低たんぱく食が腎機能低下の進行自体を抑制するかどうかについては、以前より議論されており、日本腎臓学会の「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013」では「たんぱく質制限は、腎代替療法が必要となるまでの時間を延長するが、腎機能の低下速度を抑制する効果には乏しい」としており、さらに「高齢者では、低栄養などにも注意が必要となる」と記されています。それらを踏まえ「画一的な指導は不適切であり、個々の患者の病態やリスク、アドヒアランスなどを総合的に判断して、たんぱく質制限を指導することを推奨する」と述べています。
\ この記事をシェアする /














