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野原 幹司(のはら かんじ)

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今回のテーマは、臥床している患者さんの「車椅子移乗」です。起き上がり→端座位→移乗までを基礎編で解説した基本原理を応用しながら実施していきます。


移乗で意識するのは「重心移動」と「動作の軌道」

車椅子移乗は、これまで看護師にとって力のいる看護技術の一つと考えられていました。
その大きな要因は、患者さんを「持ち上げて」「移動・移乗」させる動作にあります。

基礎編で述べてきたように、力を必要としない援助技術の基本原理は、「身体を小さくまとめ、力の大きさと作用する方向を分散させない」こと。

車椅子移乗でもそれは同じです。

患者さんを持ち上げなくても、重心移動によって力任せにならない移動は可能になります。

そして、重心移動と同じくらい大切なのが、自然な軌跡の動作を意識することです。
人が身体を起こしたり、立ち上がりの際は、身体は直線的ではなく緩やかにカーブした軌跡を描きます。
その動きをなぞるように身体を動かすことで、余分な力を掛けずに、患者さん・看護師両者の身体が楽になる自然な援助が実施できます。

重心を安定させるには

重心の位置は、姿勢や動きで変わります。重心を安定させる条件は

  1. ●重心の位置が低いこと
  2. ●支持基底面(物体を支え持つ面)が広いこと
  3. ●重心線(物体の重心を通る垂線)が支持基底面の中にあること

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