高齢患者さんの皮膚はさまざまな要因により菲薄化、脆弱化しやすくスキントラブルが起こりやすい状態となっています。
最近取り上げられているスキンテア(以下、テアとする)もその一つです。
そこで、今回は高齢者ケアに携わるエキスパートがテープに関するお悩みを解決します。
Q1 テープが使えないとき、どうしたらいい?
A 皮膚の状態のほか、血流や活動状況など、総合的にアセスメントをした上で、筒状あるいは帯状の包帯、アンダーラップテープ等を選択します
テープが使えない場合には、皮膚の状態、全身状態、ADLや家族の介護力などをアセスメントし、患者さんの状態に合ったものを選択することが大切です。
具体的には、アンダーラップテープやネット包帯、チューブ包帯や弾性チューブ包帯などを使います。
血流障害がある人にはきつく巻いてしまうことで循環障害をきたすおそれがあるため巻くタイプの包帯やアンダーラップテープは注意します。また、ネット包帯やチューブ包帯は、包帯を通すときに皮膚を傷つけてしまうこともあるので注意が必要です。

こうしてケアした!
●転倒によって左前腕部に創傷を形成した患者さんは創周囲に表皮剥離もみられており、テープを貼ることができない状態でした。
そのため、剥離刺激の少ない微粘着タイプで、抗菌作用もあり、滲出液も十分に吸収できるドレッシング材(メピレックス(R)Ag)で覆いました。
この患者さんは利き腕である右上肢にしびれがあり、自分ではうまく包帯を巻くことができなかったため、チューブ包帯(チュビファースト(R)を使い保護しました。
●右下腿に潰瘍を形成した在宅の患者さんは、外用薬とガーゼによる処置を実施していましたが、皮膚が極度に脆弱であったため、テープは使用しないことにしました。
しかし、足が細すぎて合うサイズがなかったこと、拘縮が強度であり妻一人で下肢を持ち上げながらの弾性チューブ包帯の装着は妻の負担が大きく、さらに、過度に摩擦が加わってしまうリスクも考えられたため、巻くタイプのアンダーラップテープを選択。巻く際には、循環不全を防ぐために、小 指1本分ゆるく巻いてもらうようにしました。
次ページでもテープトラブルについて解説していきます。
Q2 テープかぶれができてしまった患者さん、どうする?
A テープそのものによる皮膚トラブルなのか、貼り方・剥がし方に問題はなかったかをまずは考えましょう。また、皮膚の状態や使用部位などを総合的にアセスメントし、テープを選択します。
テープによって皮膚トラブルが起こると、テープが悪いと考えがちです。
しかし、テープによるかぶれとは接触性皮膚炎もしくはアレルギー性皮膚炎をいい、俗にいう「テープかぶれ」のほとんどは貼り方・剥がし方に問題があることが多いのです。
皮膚の状態、使用部位、用途、発汗量、皮膚温等を総合的にアセスメントし、その方に合ったテープを選択します。
なぜテープの使用で皮膚トラブルが起こったのかをしっかりとアセスメントすることが大切です。
こうしてケアした!
●胃瘻のある終末期の患者さんが、挿入部からの漏液に対し、生理用ナプキンをテープで貼り保護していましたが、テープ貼付部位に真菌感染のような、膿を含む小さな丘疹が生じていました。
使用していたテープは「透湿性の低いプラスチック基材」のもので、テープが貼られていた皮膚はしっとりしていました。
防水効果はなく透湿性が低いテープであり蒸れを生じたことが原因と考えられました。
そのため、透湿性のいい不織布タイプの肌に優しいテープに変更したところ薬剤を使用することなくきれいに改善されました。
患者さんになぜそのテープを選択し、使用したのか聞いてみると「透明で表面がつるっとしていて防水だと思ったから」と話してくれました。
防水効果はないが、一見プラスティックの性質上水をはじくことから、防水と思われがちです。このことから、まずは私たち医療者がテープの特徴を十分理解し、正しい情報を伝えていくことも重要なケアの一つと考えています。
Q3 保湿直後はテープが貼り付きません。どうしたらいい? A しっかりと塗りこんでから貼りましょう
テープは保湿後の皮膚に貼り付きづらいといわれていますが、まったくくっつかないというわけではありません。
しかし、貼り付きにくい場合もあるわけですから、テープによる固定・保護が本当に必要かを再度検討します。
必要であれば、適量を正しく塗布してから貼付します。しっかりと固定したい場合は、保湿効果もある皮膚被膜剤(リモイスコート(R)など)を散布し 皮膚を保護してからテープを貼付することをお勧めします。
こうしてケアした!
●全身が乾燥傾向にある患者さんに、保湿ローションをたっぷり塗布し、その後、テープを貼りましたがまったくくっつきませんでした。塗布量が多すぎたこと、塗りむらがあったことが考えられたため、ちり紙がぴたっとくっつき、動かしても落ちない程度の量に減らし、まんべんなく塗布し直したところ、テープを貼ることができました。
テープについて詳しく知りたい方はこちらからご覧ください
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