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椎名 幸恵(しいな さちえ)

総合病院国保旭中央病院 皮膚・排泄ケア 認定看護師

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いざ褥瘡の患者を目の前にしたとき、経験不足から実践に迷いがあったり、ケアに自信が持てないこともあるでしょう。そこでここでは、褥瘡ケアで今さら聞けないギモンを取り上げ、解説します。


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デブリードマンとは? どんな創に行う?

デブリードマン(debridement)とは「壊死した組織を除去する」ことです。つまり、創の中に、死滅した組織、成長因子など創傷治癒促進因子の刺激に応答しなくなった老化した細胞、異物、さらにこれらにしばしば伴う細菌感染巣があった場合、それらを除去して創を清浄化する治療行為をいいます。

■デブリードマンの種類と適応

デブリードマンには5つの方法があります。
1. 閉鎖性ドレッシング(ハイドロコロイド材など)を用いて自己融解作用を利用する方法
2. 機械的方法(wet-to-dryドレッシング法、高圧洗浄、水治療法、超音波洗浄など)
3. 蛋白分解酵素(ブロメライン軟膏など)による方法
4. 外科的方法
5. ウジによる生物学的方法など

褥瘡に感染・炎症がある場合は、早期の外科的デブリードマン(ハサミ、メスを使用)が推奨されています。壊死組織の除去、感染のコントロールの方法として効率がよいとされています。

また、局所に形成された膿瘍や貯留滲出液は、周囲への感染拡大や全身感染症へと進展する可能性が高いため、早期の切開排膿の判断が必要です。

硬く厚い壊死組織が固着した(N6)状況で、発熱や局所の炎症(発赤、腫脹、疼痛)、悪臭を認める場合には、壊死組織の下に膿が貯留している可能性があります。切開して膿の有無を確認することが推奨されています。

■保存的処置としてのデブリードマン

外科的デブリードマンには、その規模、程度に幅があり、保存的治療を前提に、壊死組織の内側で壊死組織の切除を行ったり、周囲の健常組織も含めて切除する場合もあります。ベッドサイドでの保存的処置として、壊死組織のごく一部を切除することを「メンテナンスデブリードマン」といいます。

褥瘡が治りにくくなる条件って?

まずは現在の創の状態を把握し、壊死組織、滲出液、誤ったスキンケアなど、さまざまな要因を検索しましょう

■DESIGN-Rの評価から創の状態を把握する

なぜ治りにくいのか、ケアの視点として、まずその創が現在どのような状況なのか確認していくことが大切になります。
もしかしたら、壊死組織がそのまま存在しているのかもしれません。壊死組織があると感染のリスクが高まります。難治性の創の場合、創傷治癒過程を阻害する原因がないか、現状の褥瘡から確認していく必要があります。

DESIGN-Rの大文字がつく場合、小文字にする、あるいはなくしていくための治療を優先的に選択していきます。

例えば、壊死組織があれば除去する、滲出液が増えたら滲出液を管理できる外用剤やドレッシング材の適用へ変更して肉芽形成を促進し、創の縮小、閉鎖を目指す、それぞれの段階で、感染、滲出液過多やポケット形成があれば、それを抑制、解消するような局所治療をするなど、ケアの方法を選択していきます。

■患者の全身状態や環境にも目を向ける

褥瘡の創が難治化する原因の1つに、寝たきりの高齢者が多いことがあります。

褥瘡が発生し、その創治癒が遷延化するのは、圧迫回避の困難さ、ずれの発生、失禁などによる汚染で褥瘡が生じやすいことが挙げられます。
マットレスや体位変換によって血流障害となる圧迫を回避しなければ、治癒は難しくなります。加えて、局所要因、加齢変化、栄養状態の低下などを含む複合要因が、褥瘡の難治性を形成しているといえます。

これらは、まさにリスクアセスメントツールの項目です。ですから、創部の管理とともに、複合要因への対策も難治性の創への取り組みには不可欠となります。

(『ナース専科マガジン』2015年7月号から改変利用)


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