モラトリアム
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モラトリアムとは、本来「猶予期間」や「一時停止」を意味する用語であり、心理学においては、大人としての社会的な責任や義務を一時的に免除されている状態を指す。エリクソンが提唱したライフサイクル理論のなかで、青年期特有の状態を表すために用いた用語であり、疾患名ではない。
青年期は、自分は何者であるのか、どのように生きていくのかという自己同一性(アイデンティティ)の確立が求められる段階であり、就学や就労などの社会的役割を模索しながら自分の在り方を探索する。モラトリアムは、自己同一性を確立するために必要な準備期間として位置づけられている。
しかし、この状態が長期化すると、将来への不安や自己否定感が強まり、情緒が不安定になるリスクがある。その結果、気分の落ち込みや意欲低下といった抑うつ状態を伴う場合がある。
看護においては、表面的な行動だけでなく、その背景にある心理的葛藤や発達段階をアセスメントすることが重要である。青年期の心理状態や発達課題を正しく理解し、対象者が社会的な役割を一時的に先延ばしする様子を怠慢や問題行動と捉えるのではなく、ライフサイクルにおける通過点として受け止め、支援的なかかわりを行う姿勢が求められる。
林 洋
東京有明医療大学
(監修)
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(執筆)
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