今回は困難ケースの解説をお休みして、ここで体位排痰法の手順について解説します。
患者さんの全身の状態を十分にアセスメントした上で、手早く実施しましょう。
長期臥床患者さんによくある左下葉貯痰への体位排痰法
術後や意識のない患者さんは、仰臥位で長時間過ごすことにより、左下葉などに分泌物が溜まりがちです。
自力での喀出が困難な患者さんには、体位排痰法で痰を移動させます。
例えば、胸部X線や聴診などで痰が左下葉に溜まっている部位を確定したら、その部位が上になるようにポジショニングします。
望ましい体位はギャッジアップした前傾60°です。数十分くらいで痰が移動するといわれているので、胸の聴診などで評価していきます。
患者さんの状態によっては禁忌となる体位もあるので、事前に確認しておくことが大切です。また、この前傾60°の姿勢は、つらい体位になる患者さんもいるので、調整が必要となります。
例えば、いきなり60°にすると循環動態に影響が出るので、循環動態を見ながら、最初に20~30°後方に傾けた側臥位をとり、次に60°傾け、循環動態が安定したら身体を垂直にし、その後前傾60° の姿勢を維持します。
数十分たったら40~60°ギャッジアップから背面開放座位、端座位を目指すようにします。前傾60°の度体位保持時間については、痰は前述のように、数十分を目安に音を聞きながら評価して、維持する時間を決めるといいでしょう。


(上)後傾20~30°
(下)後傾60°


(上)垂直
(下)前傾60°
※続いては、「体位排痰法の基本」について解説します。
体位排痰法の基本
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