【重要】WEBサイトのリニューアルとドメイン変更のお知らせ

心電図でみる房室ブロック(AVブロック)の波形・特徴とは?のサムネイル画像
解説・監修
曽原 寛のプロフィール画像

曽原 寛

葉山ハートセンター 不整脈センター 部長

解説・監修者の記事一覧

房室ブロック(AVブロック)の心電図の特徴と主な症状・治療などについて解説します。

心電図でみる房室ブロック(AVブロック)の特徴

 房室ブロックは重症度によって5つに分けられます。波形を見ながら、違いを知っておきましょう。

図1 I度

Ⅰ度房室ブロック
PQ間隔の延長

図2 Ⅱ度ウェンケバッハ型

Ⅱ度ウェンケバッハ型
PQ間隔が徐々に延長し、P波がQRS波につながらなくなるが元に戻り、PQ間隔も短くなる

図3 モビッツⅡ型

モビッツⅡ型
QRSが突然なくなる

図4 高度房室ブロック

高度房室ブロック
モビッツII型で2対1、3対1の房室伝導比となるもの

図5 Ⅲ度房室ブロック(完全房室ブロック)

Ⅲ度房室ブロック(完全房室ブロック)
P波とQRS波がまったく無関係に現れている

房室ブロックの特徴

どんな不整脈?

 心房から心室の電気的興奮の伝導が障害され、徐脈となります。迷走神経が原因で起こるとされています。迷走神経は夜間に活発になるため、夜間に発作を起こしやすいとされています。

 房室ブロックは、表1のように分類され、I度房室ブロック・Ⅱ度房室ブロック(ウェンケバッハ型)は健康な人にもみられますが、モビッツⅡ型、高度房室ブロック、Ⅲ度房室ブロックは心室細動に移行しやすく危険です。ただし、軽度の房室ブロックが重症化することもあり得ますので注意を要します。

 また、房室ブロックに完全右脚ブロックと左脚前枝ブロックの合併があると完全房室ブロックに移行しやすいとされています。

房室ブロックの分類PR時間QRS波危険度
Ⅰ度房室ブロック0.21秒以上に延長正常低い
Ⅱ度房室ブロックウェンケバッハ型
(モビッツⅠ型)
徐々に延長PR時間の延長後になくなる低い
モビッツⅡ型一定突然QRS波が脱落高い
高度房室ブロック一定P波からQRSが続かないことが2回に2回、3回に1回起こる高い
Ⅲ度房室ブロック(完全房室ブロック)不規則なし高い

迷走神経
 迷走神経は、脳から出ている末梢神経の一つで、運動神経と感覚神経を含み、大部分が内臓に分布し、胃腸蠕動運動などさまざまな働きをしますが、心拍数の調整にも関与しています。

どんな危険がある?

  1. モビッツⅡ型以上の房室ブロックは心室細動などの致死性不整脈に移行しやすい
  2. 高度房室ブロックは脳虚血を招きやすい
  3. 睡眠時に重症化しやすい

危険なサインは?

  1. 心電図でPQ間の異常(モビッツⅡ型、高度房室ブロック、Ⅲ度房室ブロック)
  2. 動悸、失神発作、脈拍不整

主な症状

  1. アダムス・ストークス発作
  2. 心不全症状
  3. 易疲労性

主な原因

  1. 迷走神経刺激
  2. 薬物(β遮断薬、ジギタリス、Ca拮抗薬)
  3. 加齢
  4. 心筋梗塞・異型狭心症・心筋炎・先天性心疾患などの心疾患
  5. 高カリウム血症
  6. 心サルコイドーシス
  7. 甲状腺機能低下症など

主な治療

  1. 心臓電気生理学的検査(EPS)で重症度を判定する
  2. 1.5秒程度の停止は軽度とされる
  3. 失神発作の既往があれば、ペースメーカー植込み術適応となる
  4. 原則として3秒以上の停止があればペースメーカー植込み術適応となる

(『ナース専科マガジン』2010年1月号から改変利用)

\ この記事をシェアする /

この記事に関連する記事