
房室ブロック(AVブロック)の心電図の特徴と主な症状・治療などについて解説します。
心電図でみる房室ブロック(AVブロック)の特徴
房室ブロックは重症度によって5つに分けられます。波形を見ながら、違いを知っておきましょう。
図1 I度

図2 Ⅱ度ウェンケバッハ型

図3 モビッツⅡ型

図4 高度房室ブロック

図5 Ⅲ度房室ブロック(完全房室ブロック)

房室ブロックの特徴
どんな不整脈?
心房から心室の電気的興奮の伝導が障害され、徐脈となります。迷走神経が原因で起こるとされています。迷走神経は夜間に活発になるため、夜間に発作を起こしやすいとされています。
房室ブロックは、表1のように分類され、I度房室ブロック・Ⅱ度房室ブロック(ウェンケバッハ型)は健康な人にもみられますが、モビッツⅡ型、高度房室ブロック、Ⅲ度房室ブロックは心室細動に移行しやすく危険です。ただし、軽度の房室ブロックが重症化することもあり得ますので注意を要します。
また、房室ブロックに完全右脚ブロックと左脚前枝ブロックの合併があると完全房室ブロックに移行しやすいとされています。
| 房室ブロックの分類 | PR時間 | QRS波 | 危険度 | |
|---|---|---|---|---|
| Ⅰ度房室ブロック | 0.21秒以上に延長 | 正常 | 低い | |
| Ⅱ度房室ブロック | ウェンケバッハ型 (モビッツⅠ型) | 徐々に延長 | PR時間の延長後になくなる | 低い |
| モビッツⅡ型 | 一定 | 突然QRS波が脱落 | 高い | |
| 高度房室ブロック | 一定 | P波からQRSが続かないことが2回に2回、3回に1回起こる | 高い | |
| Ⅲ度房室ブロック(完全房室ブロック) | 不規則 | なし | 高い | |
迷走神経
迷走神経は、脳から出ている末梢神経の一つで、運動神経と感覚神経を含み、大部分が内臓に分布し、胃腸蠕動運動などさまざまな働きをしますが、心拍数の調整にも関与しています。
どんな危険がある?
- モビッツⅡ型以上の房室ブロックは心室細動などの致死性不整脈に移行しやすい
- 高度房室ブロックは脳虚血を招きやすい
- 睡眠時に重症化しやすい
危険なサインは?
- 心電図でPQ間の異常(モビッツⅡ型、高度房室ブロック、Ⅲ度房室ブロック)
- 動悸、失神発作、脈拍不整
主な症状
- アダムス・ストークス発作
- 心不全症状
- 易疲労性
主な原因
- 迷走神経刺激
- 薬物(β遮断薬、ジギタリス、Ca拮抗薬)
- 加齢
- 心筋梗塞・異型狭心症・心筋炎・先天性心疾患などの心疾患
- 高カリウム血症
- 心サルコイドーシス
- 甲状腺機能低下症など
主な治療
- 心臓電気生理学的検査(EPS)で重症度を判定する
- 1.5秒程度の停止は軽度とされる
- 失神発作の既往があれば、ペースメーカー植込み術適応となる
- 原則として3秒以上の停止があればペースメーカー植込み術適応となる
(『ナース専科マガジン』2010年1月号から改変利用)
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