小児のAライン管理でリドカインを混注するのはなぜ?のサムネイル画像
執筆
Pのプロフィール画像

P

看護師 ライター 診療看護師(NP)

執筆者の記事一覧

リドカインを混注する目的

小児のAラインにリドカインを混注する主な目的は、新生児・乳幼児で起こりやすい動脈攣縮を抑え、Aラインの開存性を保つためです。

小児の動脈が攣縮を起こしやすいのは、血管そのものの細さにあります。Aラインは橈骨動脈、足背動脈、後脛骨動脈などに細いカテーテルを留置し、連続的な動脈圧波形の測定や採血を行うためのラインです。小児の動脈は成人に比べて血管径が細いため、穿刺、カテーテル先端の接触、採血時の陰圧、体動などの刺激が加わると、血管平滑筋が収縮して動脈攣縮を引き起こします。

攣縮が起こると、波形が鈍る、逆血不良が生じる、採血しにくくなる、末梢が色調不良になるといった変化がみられ、遷延すれば虚血に至ります。つまり小児のAラインでは、血栓により血管が「詰まる」ことだけでなく、血管自体が「縮む」こともライントラブルの要因となります。

ヘパリン・リドカインの役割と施設方針

Aライン管理でヘパリンを混注するのは、主にカテーテル内や先端部の血液凝固(血栓)を予防し、Aラインの閉塞を予防するためです。一方、リドカインは局所麻酔薬ですが、小児のAライン管理では鎮痛目的ではなく、血管平滑筋の収縮を抑えて動脈が縮むのを防ぎ、Aラインの開存性を保つ目的で用いられます。

ただし、これらを投与すれば血栓や動脈攣縮を確実に防げるというわけではないため、あくまでも「効果を期待する」というイメージをもっておくのがよいでしょう。また、どこの施設でも実施されている標準的なプロトコルというより、施設ごとの管理方針や患児の状態に委ねられる側面があるため、リドカインを使用している施設もあれば使用していない施設もあるでしょう。ヘパリンについても、患児の状態によって使用したり使用を控えたりすることがあります。

看護師に求められるのは、薬剤使用の有無にかかわらず、自施設の方針や考えを理解し、輸液の組成を把握したうえで管理することです。ヘパリンもリドカインも動脈の開存性を保つことを期待して用いられるため、留置側の手指・足趾の色調、冷感、毛細血管再充満時間、SpO₂や動脈圧の波形、疼痛反応(触れたときの啼泣や逃避)といった末梢循環の変化を継続的に観察・アセスメントしていくことが大切です。

\ この記事をシェアする /