佐藤まりこ
執筆者の記事一覧
外国人患者さんに英語で対応できる? アメリカの医療現場で実際に使われている、患者さんにもすんなり伝わる簡単な医療英語をマスターしよう!
患者さんに一番近い存在の看護師は、「今日はどうされましたか?」から始め、症状を聞いて患者さんに起こっている健康問題の把握を行います。外国人の患者さんに対してもコミュニケーションを通して主観的情報を収集し、客観的情報と合わせて全身状態の把握が必要ですね。
今回は、心不全の症状の聴取に必要なフレーズを紹介します。
心不全(heart failure)とは、心臓のポンプ機能が低下して、全身に血液を送り出すことができなくなった結果、息切れ、呼吸困難、むくみなどの症状が出現した状態をいいます。
心不全はきちんと治療をしないと、再発を繰り返し、徐々に進行して重篤化します。医療従事者だけではなく、患者さん本人やご家族が、病気をきちんと理解し治療に参加することが大切です。
心不全の治療法は、①症状を軽くする治療、②心不全の原因を治す治療、③心筋や血管を保護する治療、④生活指導の介入など心不全悪化のきっかけを取り除く治療、の4つに分類されます。
看護師は、OLDCART*に沿った心不全症状のアセスメントを行い、迅速な状態把握と全身観察に努めます。
本日のレッスン
主な心不全の症状(Symptoms of Heart Failure)(4)
心不全の代表的な症状には、動悸や息切れ、呼吸困難、むくみなどがあります。
これらの症状は、(1)心臓のポンプ機能が低下して、血液を全身に送り出すことができないことで起こる症状と、(2)全身の血液がスムーズに流れず、血液の渋滞=うっ血から起こる症状に分けて説明することができます。
今回は、(1)血液を送り出す心臓のポンプ機能の低下による症状について紹介します。
*OLDCARTとは、Onset(発症)、Location(症状のある部位)、Duration(症状のある持続時間)、Character(症状の性質)、Aggravating/Alleviating factor(増悪・軽減要因)、Radiation(症状の広がり)、Timing(症状がいつ起こるのか)の頭文字をとった症状のアセスメントツールです。
心臓のポンプ機能低下による症状(Low of cardiac output)
3.意識障害(Impaired consciousness)<後編>
心臓のポンプ機能が低下し、心臓から全身へ送られる血液量が少なくなると、脳に十分な酸素が行き届かなくなります。その結果、傾眠傾向や不穏、せん妄、混乱などの意識障害が起こることがあります。
意識障害は「Impaired consciousness」や「Altered level of consciousness;ALOC」です。前回に引き続き代表的な意識障害(Impaired consciousness)を紹介します。
●せん妄
「せん妄」とは、「急激に生じる一時的な意識障害」をいいます。
自分がどこにいるかわからなくなったり、 幻視や妄想・興奮・錯乱などのさまざまな症状が生じます。
「せん妄」と「不穏」の違いは、「せん妄」が一時的な意識障害の診断名であるのに対し、「不穏」は患者さんの状態を表します。
「せん妄」は「delirium」です。「デリィリウム」が英語に近い発音です。
代表的な「せん妄」を表わす言葉を紹介します。
•Disorientation
「disorientation」は「見当識障害」という意味です。
「見当識障害」とは、時間、場所、自分が誰なのか、わからなくなる状態です。
•Incoherent speech / rambling conversation
「incoherent speech」は「つじつまの合わない支離滅裂な会話」、「rambling conversation」は「まとまりがなく内容が散漫してる会話」という意味です。
•Hallucination
「hallucination」は「幻覚」という意味です。
「幻覚」とは、実際には存在しないものを見たり聞いたり感じたりする症状です。せん妄では、実際にはないものが見える幻視(Delusion)がよくみられます。
•Agitation / Aggression
せん妄の症状として不穏や攻撃的な態度がみられることがあります。
•Confusion
「confusion」は「混乱・錯乱」という意味です。
•Delirium at night
「delirium at night」は「夜間せん妄」です。
「夜間せん妄」は、一過性のせん妄が夜に起こる状態をいいます。
夜間は暗く刺激が少ないことから、うまく自分の状態が把握できない、不安が増えるなどの要因が関連して起こるといわれています。
•Post-operative delirium
「post-operative delirium」は「術後せん妄」です。
「術後せん妄」とは、術後1~3日たってから、急にせん妄を起こし、1週間前後続いて次第に落ち着いていく状態をいいます。術後の痛みやストレス・環境の変化や薬剤の投与などが関連して起こるといわれています。
臨床では、「夜間せん妄」と「術後せん妄」を起こす患者さんはよく経験しますよ。
詳しい意識障害の分類は、脳外科分野で紹介します。
次回は、血液を送り出す心臓のポンプ機能の低下による症状:四肢の冷感とチアノーゼ・尿量低下・低血圧を紹介します。
\ この記事をシェアする /















