記事
記事
漫画
漫画
用語
用語
ナース専科国内最大級の看護師・看護学生コミュニティサイト

看護師・看護学生向けの総合Webメディア

  1. ナース専科
  2. >
  3. 看護の記事
  4. >
  5. 口腔ケア
  6. >
  7. 知っていますか? 糖尿病6つ目の合併症「歯周病」とうがいの効果【PR】
口腔ケア糖尿病内科#注目ピックアップ#糖尿病の合併症#糖尿病の原因・メカニズム・症状#血糖コントロール

知っていますか? 糖尿病6つ目の合併症「歯周病」とうがいの効果【PR】

2024.06.17
知っていますか? 糖尿病6つ目の合併症「歯周病」とうがいの効果【PR】のサムネイル画像
解説
仲野 和彦のプロフィール画像

仲野 和彦

大阪大学歯学研究科長、歯学部長 教授

解説者の記事一覧
提供
ウエルテック株式会社のプロフィール画像

ウエルテック株式会社

提供者の記事一覧

糖尿病の血糖コントロールが悪化する要因のひとつに歯周病があります。歯周病の治療や悪化の防止は血糖コントロールの改善につながるため、口腔環境を良好に保つセルフケアの継続が大切です。そこで、薬用マウスウォッシュ(グルコン酸クロルヘキシジン配合洗口液)によるうがいと歯周病菌の減少効果、HbA1c値への影響、さらに看護師の役割について解説します。


糖尿病と歯周病の相互の関係

糖尿病は、インスリンがうまく作用しなくなり、血液中のブドウ糖が増加し、慢性的な高血糖が生じる疾患です。高血糖が続くことで大小の血管が障害され、さまざまな合併症を引き起こします。なかでも歯周病は、糖尿病と相互に影響し合うことがわかっており、第6の合併症と呼ばれています※1。

歯周病は、悪性度の高い嫌気性の歯周病菌が原因で起こります。う蝕(虫歯)の原因となるミュータンス菌などの好気性菌が、糖を分解して酸を産生することで歯を溶かすものであるのに対し、歯周病菌は血液中のタンパク質を餌にして増殖し、免疫反応により起こった炎症によって、歯肉や歯槽骨などの歯を支える組織を破壊するものです。
 歯周病菌はパートナー間での伝播が多く、思春期以降で歯肉溝がポケットに発展し、これが深い人ほど嫌気性である歯周病菌は定着しやすくなります。

糖尿病と歯周病が相互に影響しあう大きな要因として、炎症メディエーターの関与があります。糖尿病は、脂肪組織の免疫細胞が出す炎症メディエーターという物質がインスリンの働きを妨げることが発症原因のひとつといわれています。歯周病でも免疫反応による炎症が起こるため、産生された炎症メディエーターが歯肉の出血部位から血液中に入り込むことで、糖尿病と同様にインスリンの働きを妨げてしまうと考えられています。
 また、糖尿病の悪化による炎症メディエーターの増強は歯周病の増悪にもつながり、負のスパイラルを招きます(図1、2)。

図1 歯周病と糖尿病の負のスパイラル
図2 歯周病の進行とその影響

薬用マウスウォッシュによるうがいと HbA1c 値

外科治療が必要となる重度のケースを除き、歯周病の治療や悪化の予防には、歯科医師や歯科衛生士による歯石やプラークの機械的な除去とともに、日々の患者さん本人による口腔ケアが大切です。

歯周病菌を減らす効果があるセルフケアのひとつには、薬用マウスウォッシュ(グルコン酸クロルヘキシジン配合洗口液)を使ったうがいがあります。手軽に継続できる歯周病予防として有効な方法ですが、これまで薬用マウスウォッシュによるうがいが、糖尿病患者さんの口腔や全身状態にどのような影響をもたらすのかについては明らかになっていませんでした。そこで、大阪大学大学院歯学研究科とウエルテック株式会社の産学連携によって開設した口腔全身連関学共同研究講座では、ウエルテック株式会社製のグルコン酸クロルヘキシジン配合洗口液によるうがいが、2型糖尿病患者さんの口腔内や全身にどのような影響をもたらすのかについて調査研究を実施しました(図3)。

今回の研究では、水うがいと薬用マウスウォッシュによるうがいを各6か月間実施し、歯周病菌のなかでも悪性度の高いレッドコンプレックス*と呼ばれる菌種の数とHbA1c値を調査しました。その結果、水うがいではレッドコンプレックスの菌種数に有意差はなかったものの、薬用マウスウォッシュを使用したうがいでは菌種数が有意に減少しました(図3-1)。また、HbA1c値には季節変動がありますがそれを調整したところ、わずかながらHbA1c値が改善したことが確認できました(図3-2)。
 ここで私たちが特に注目したのは、レッドコンプレックスの菌種数の減少に比例するように、HbA1c値にも顕著な低下がみられた例があったことです(図3-3)。

図3 2型糖尿病患者の歯周病原因菌と血糖コントロールに対する薬用マウスウォッシュの効果

糖尿病にはさまざまな要因があり、発症や悪化に強く関与する要因(肥満や高血圧など)にも個人差があると考えられます。
 今回の研究結果から、歯周病菌による炎症メディエーターがインスリン作用の低下の強い要因となっている患者さんが一定数いる可能性が示唆されました。

これまで糖尿病の治療を受けていても血糖コントロールが難しかった患者さんのなかには、歯周病を治療することで糖尿病の改善が見込める患者さんがいる可能性があります。また、糖尿病治療を受け、適切な血糖コントロールが継続できれば、難治性の歯周病の改善にもつながることが考えられます。
*レッドコンプレックス:歯周病の発症原因とされている細菌の中で最も病原性が高いといわれている 3 つの細菌種

看護師の皆さんへお願いしたいこと

今回の調査研究では、すべての糖尿病患者さんで薬用マウスウォッシュによるうがいでHbA1c値の低下がみられたわけではありません。しかし、5人の1人の割合では糖尿病患者さんのHbA1c値の低下がみられました。

グルコン酸クロルヘキシジン配合の薬用マウスウォッシュによるうがいは、ほぼすべての患者さんの歯周病菌を減少させることは明らかで、これは患者さんにとって大きなメリットとなります。さらに、もしHbA1c値の改善につながるなら、糖尿病治療にとっても良い影響をもたらす可能性があるといえるでしょう。

薬用マウスウォッシュによるうがいは、比較的簡単で継続しやすい方法です。爽快感もあり患者さんの口腔ケアに対する意識を高め、セルフケア全般への行動変容にもつながるのではないでしょうか。実際に被験者の方たちからは、口腔内の気持ちよさを実感できただけでなく、レッドコンプレックスの菌種数の減少やHbA1c値の改善など目に見える効果があったことで、口腔ケアを続ける意欲が湧いたという声が聞かれました。

糖尿病の重要な治療の柱のひとつに口腔ケアがあり、合併症の予防や治療における病診連携も進んでいます。令和6年の診療報酬改定では糖尿病患者の歯周病対策について、生活習慣病管理料(Ⅰ、Ⅱ)に「糖尿病の患者について、歯周病の診断と治療のため、歯科受診の推奨を行うこと」※2という算定要件が追加されました。医科歯科連携は今後の課題でもありますが、まずは糖尿病患者さんに看護師の皆さんから口腔ケアの重要性を伝えていただくことが第一歩になると考えています。

歯周病は「歯」がない人には起こり得ません。8020運動が進み、セルフケアや治療によって歯を残せる人が増えました。しかし、そのために歯周病の人が増えているともいえます。だからこそ歯科の受診を勧めることや、歯科衛生士と連携して口腔内のセルフケアを充実させていくことが重要です。ぜひ糖尿病患者さんのセルフケア指導のひとつに、薬用マウスウォッシュによるうがいを活用してもらいたいと思います(図4)。

図4 糖尿病患者さんへの口腔ケア指導のポイント

仲野先生への取材をもとに作成

Q&Aでポイント整理!糖尿病患者の口腔ケア

Q.歯周病は糖尿病にどんな影響を及ぼしますか?
A.歯周病と糖尿病は相互に悪化の要因となるもので、歯周病があると血糖コントロールに悪影響を及ぼすことが示されています。

Q.水によるうがいでも糖尿病の悪化を防ぐことはできますか?
A.今回の研究対象者では、水によるうがいでは歯周病菌数の減少やH bA1c値を低下させる効果はありませんでした。

Q.レッドコンプレックスとは何ですか?口腔内にレッドコンプレックス菌数が多いとどのような影響がありますか?
A.レッドコンプレックスは重度の歯周病と関連がある細菌群で、歯周病の原因となる悪性度の高い細菌種3つのことです。なかでもPg菌という菌は、歯周病菌のなかでも非常に手ごわいもので、歯槽骨などを溶かす毒素を産生します。また、活動時に悪臭の成分であるメチルメルカプタンというガスを発生させるため、口臭の原因となるなど、口腔トラブルの大きな原因菌です。

Q.グルコン酸クロルヘキシジン配合の薬用マウスウォッシュによるうがいにはどのような効果がありますか?
A.薬用マウスウォッシュでうがいすることにより、口腔内の歯周病菌が殺菌され、増殖が抑えられ、歯周病の悪化防止につながります。また、今回の研究では、糖尿病患者さんを年齢で半分ずつに分けてみると、年齢の若い対象者群(68歳以下)の男性ではHbA1c値の低下、血糖コントロールの改善の可能性があることが示唆されました。

Q.具体的にどのようなうがいをするのが効果的ですか?
A.洗口液を口に含み、数回すすぐことを1日に数回行うと高い殺菌効果が期待できます。
 口腔ケアは継続することが大切であるため、うがいの習慣がない患者さんなどであれば、1日1回、就寝直前のうがいを勧めるなど、継続しやすい方法から伝えてください。

Q.糖尿病患者さんの口腔ケアで、看護師に求められる役割は何ですか?
A.糖尿病患者さんのほとんどが歯周病を合併しています。そこで治療や悪化防止のために歯科の受診を勧めてください。また、日常のセルフケアでは、簡単で継続しやすい薬用マウスウォッシュによるうがいをぜひ勧めてください。

解説:仲野 和彦 先生

仲野和彦先生

大阪大学大学院歯学研究科 教授
1996年大阪大学歯学部卒業。2002年、博士(歯学)(大阪大学)。2014年、同大学大学院歯学研究科小児歯科学講座教授。2020年、同口腔全身連関学共同研究講座教授(兼任)。2024年、同大学教育研究評議会評議員(兼任)。日本小児歯科学会常務理事、日本小児歯科学会専門医指導医。

提供:ウエルテック株式会社 https://www.weltecnet.co.jp/



文献
※1 Loe H.:Periodontal disease:The sixth complication of diabetes mellitus. Diabetes Care 1993;16:329‒34.
※2 厚生労働省:令和 6 年度診療報酬改定について第 2 改定の概要 1. 個別改定項目について(2024 年 5 月 2 日閲覧)https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001220531.pdf
・Saaya Matayoshi, et al:Effects of mouthwash on periodontal pathogens and glycemic control in patients with type 2 diabetes mellitus. Sci Rep. 2024;14, 2777. DOI:https://www.nature.com/articles/s41598-024-53213-x
・日本糖尿病学会:糖尿病診療ガイドライン 2019 13.糖尿病と歯周病.南江堂、2019.(2024 年 5 月 2 日閲覧)https://fa.kyorin.co.jp/jds/uploads/gl/GL2019-13.pdf

編集ポリシーはこちら

\ この記事をシェアする /

  • ヘルプ編集ポリシー
  • 利用規約特定商取引法に基づく表示
  • 個人情報について広告掲載について
  • 運営会社お問い合わせ
  • ヘルプ
  • 編集ポリシー
  • 利用規約
  • 特定商取引法に基づく表示
  • 個人情報について
  • 広告掲載について
  • 運営会社
  • お問い合わせ

OFFICIAL SNS

  • X
  • Instagram
  • LINE
  • YouTube

株式会社エス・エム・エスの運営サイト

  • 放射線技師人材バンク検査技師人材バンク
  • 工学技師人材バンク国試黒本治療家エージェント
  • JOB NOTEPTOT人材バンク
  • エイチエ 転職ウェルミージョブ
  • カイゴジョブエージェントケア人材バンク
  • かべなし求人ナビ・就労支援ナビ保育士人材バンク
  • カイポケ訪問看護マガジンPTOT人材バンク
  • JOB NOTEカイポケM&A
  • 放射線技師人材バンク
  • 検査技師人材バンク
  • 工学技師人材バンク
  • 国試黒本治療家エージェント
  • JOB NOTE
  • PTOT人材バンク
  • エイチエ 転職
  • ウェルミージョブ
  • カイゴジョブエージェント
  • ケア人材バンク
  • かべなし求人ナビ・就労支援ナビ
  • 保育士人材バンク
  • カイポケ訪問看護マガジン
  • PTOT人材バンク
  • JOB NOTE
  • カイポケM&A
プライバシーマーク

安心してご利用いただくために

ナース専科を運営する(株)エス・エム・エスはプライバシーマークを取得しております。

Copyright © SMS Co., Ltd. All Rights Reserved.

ナース専科様 おすすめ記事

[医療改革] 自治体病院が危機的状況、国へ緊急要望 全自病開協・全自病協の詳細を見る
[医療改革] 自治体病院が危機的状況、国へ緊急要望 全自病開協・全自病協
医療知識・時事

[医療改革] 自治体病院が危機的状況、国へ緊急要望 全自病開協・全自病協

2026.10.07
[医療改革] 中医協がOTC類似薬の議論に着手、診療側は医師の負担増を懸念の詳細を見る
[医療改革] 中医協がOTC類似薬の議論に着手、診療側は医師の負担増を懸念
医療知識・時事

[医療改革] 中医協がOTC類似薬の議論に着手、診療側は医師の負担増を懸念

2026.10.07
[医療提供体制] アレルギー疾患対策推進、指針改正案を協議会が承認の詳細を見る
[医療提供体制] アレルギー疾患対策推進、指針改正案を協議会が承認
医療知識・時事

[医療提供体制] アレルギー疾患対策推進、指針改正案を協議会が承認

2026.10.07
[介護報酬] 介護人材確保に向け賃金水準の底上げは喫緊の課題 意見相次ぐの詳細を見る
[介護報酬] 介護人材確保に向け賃金水準の底上げは喫緊の課題 意見相次ぐ
医療知識・時事

[介護報酬] 介護人材確保に向け賃金水準の底上げは喫緊の課題 意見相次ぐ

2026.10.07
記事記事漫画漫画用語用語
ナース専科

ログインすると、あなたの興味や関心に合わせた「おすすめ記事」が表示されます

登録はこちらログインする

この記事に関連する記事

  • 第3回 糖尿病看護に大事なこと|足病変の早期発見、早期介入、患者さんへのケアQ&A【PR】の詳細を見る
    第3回 糖尿病看護に大事なこと|足病変の早期発見、早期介入、患者さんへのケアQ&A【PR】
    フットケア糖尿病内科

    第3回 糖尿病看護に大事なこと|足病変の早期発見、早期介入、患者さんへのケアQ&A【PR】

    2026.01.21
  • 第2回 糖尿病足病変を発症させないためのフットケア【PR】の詳細を見る
    第2回 糖尿病足病変を発症させないためのフットケア【PR】
    フットケア糖尿病内科フィジカルアセスメント

    第2回 糖尿病足病変を発症させないためのフットケア【PR】

    2026.01.16
  • 第1回 糖尿病足病変とは【PR】の詳細を見る
    第1回 糖尿病足病変とは【PR】
    フットケア糖尿病内科感染症

    第1回 糖尿病足病変とは【PR】

    2026.01.14
  • 【動画で学ぶ】誤嚥リスクを最小限に、高齢者のための「コンクールF」簡単口腔ケア【PR】の詳細を見る
    【動画で学ぶ】誤嚥リスクを最小限に、高齢者のための「コンクールF」簡単口腔ケア【PR】
    口腔ケア

    【動画で学ぶ】誤嚥リスクを最小限に、高齢者のための「コンクールF」簡単口腔ケア【PR】

    2026.08.10

Pickup

  • 介護・医療・福祉・保育の求人・転職ならウェルミージョブ
  • 看護師賠償責任保険

for student

  • 合同就職説明会
就業体験、見学会・説明会、採用試験

新着記事

新着一覧を見る
患者さんと家族への生活支援・指導の方法【てんかん看護 Q&A】の詳細を見る
患者さんと家族への生活支援・指導の方法【てんかん看護 Q&A】
脳神経内科痙攣

患者さんと家族への生活支援・指導の方法【てんかん看護 Q&A】

2026.10.10
費用対効果評価制度見直し、2026年中に価格調整実施へ――費用対効果評価専門部会の詳細を見る
費用対効果評価制度見直し、2026年中に価格調整実施へ――費用対効果評価専門部会
医療知識・時事

費用対効果評価制度見直し、2026年中に価格調整実施へ――費用対効果評価専門部会

2026.10.09
アートメイクについてどう思いますか?の詳細を見る
アートメイクについてどう思いますか?
リサーチ企画

アートメイクについてどう思いますか?

2026.10.09
迷いやすい発作時の対応【てんかん看護 Q&A】の詳細を見る
迷いやすい発作時の対応【てんかん看護 Q&A】
脳神経内科痙攣

迷いやすい発作時の対応【てんかん看護 Q&A】

2026.10.08

カテゴリー

週間PV数ランキング

【採血】内出血した患者さんに言ってはいけないNGワードの詳細を見る
【採血】内出血した患者さんに言ってはいけないNGワード
1
採血

【採血】内出血した患者さんに言ってはいけないNGワード

2014.04.16
患者さんの自己抜去、どうリスクを回避する?の詳細を見る
患者さんの自己抜去、どうリスクを回避する?
3
注射やせ

患者さんの自己抜去、どうリスクを回避する?

2025.07.21
退職を考える看護師が知っておきたい制度や給付金の詳細を見る
退職を考える看護師が知っておきたい制度や給付金
4
キャリアプラン

退職を考える看護師が知っておきたい制度や給付金

2020.04.27
不必要な痰の吸引を希望する患者家族。なかなか理解してもらえず困っています…の詳細を見る
不必要な痰の吸引を希望する患者家族。なかなか理解してもらえず困っています…
5
リサーチ企画

不必要な痰の吸引を希望する患者家族。なかなか理解してもらえず困っています…

2026.09.23