

第116回看護師国家試験に向けた、「ナース専科」と看護国試専門予備校の「さわ研究所」のコラボ企画の第2弾。この記事では【一般・状況設定問題】に絞り、令和9年(2027年)に実施予定の「第116回看護師国家試験」の対策のポイントと、一般問題の予想問題を解説講義動画付きで紹介します。
第115回一般・状況設定問題はどうだった?
第115回試験における一般・状況設定問題の合格ボーダーラインは、166/249点で、過去 5年間のなかでは2番目に高い数字となりました(※採点除外問題1問、複数選択肢正解1問あり)。
さわ研究所が集計した全国平均点は195.4点。一昨年度の第114回の全国平均点(179.4点)と比較すると、約15点も高くなっています。この平均点の高さからもわかるとおり、過去問題の演習にしっかり取り組んだ受験生にとっては、点数のとりやすい問題が多く出題された傾向にあります。
ただし、残念な結果になってしまった人からは、「難しい問題が多かった」という声が多く聞かれました。特に、状況設定問題は1問2点と配点が高いため、ここで正解できたかどうかが大きな差となっています。
一般問題の傾向:「丸暗記」は通用しない
一般問題は、言葉の「丸暗記」だけでは太刀打ちできない、知識の活用力を問う問題が目立ちます。ここでは、今回受験生が苦戦した2つの「領域」と、実際に出題された問題をもとに傾向をみていきましょう。
特に正答率が低かった「解剖生理(人体の構造と機能)」
国試受験後、受験生の皆さんから特に多く聞かれたのが「成人看護学が解けなかった」「疾患が思ったより解けなかった」という声でした。その原因の一つとして、すべての疾患を理解するうえで「土台」となる解剖生理の理解不足が挙げられます。
実際に第115回では、解剖生理にあたる「人体の構造と機能」は、全部で12問出題されましたが、そのうち5問が正答率30%以下となっており、多くの受験生が苦戦したことが分かります。
近年の国試では、知識を単独で問うのではなくて、知識同士を結びつけて考える力が求められています。そのため、まずは解剖生理をしっかり理解することが重要です。
学習を後回しにしがちな「社会保障制度」
「解剖生理」と並んで、多くの受験生が苦戦を強いられたのが社会保障制度の領域です。第115回では9問出題されましたが、そのうち6問の正答率は70%以下という結果でした。
社会保障制度は難問が多いというよりも、学習の優先順位が後回しになりやすい領域です。そのため、「国試直前まで手が回らなかった」「暗記だけで理解が不十分だった」という受験生も少なくありません。また、受験生の皆さんから「制度が多すぎて覚えられません」という悩みの声をよく耳にします。
おすすめの対策は「実習で受けもった患者さんと制度を関連づけて考えること」です。例えば、「この患者さんは介護保険を利用できるだろうか」「どのような福祉サービスが活用できるだろうか」、などを考える習慣をつけることで、ただ文字を覚えるよりも圧倒的に記憶に定着しやすくなります。
出題問題から紐解く、「根拠」の大切さ
では、ここで第115回の問題を実際に振り返ってみましょう。正答率は74.3%、つまり受験生の4人に1人が間違えた問題です。
正解は選択肢「4」でしたが、間違えた人の解答で最も多かった選択肢は「1」でした。実習では優先順位を考えて行動する場面が多いため、「優先順位の判断」が重要であると考え、選んだ受験生が多かったのかもしれません。
確かに、優先順位の判断は看護過程を展開するうえで欠かせない視点です。しかし、看護手順の目的は、医療事故や手技のばらつきを防ぎ、安全かつ一定の質で看護を提供することにあります。つまり「誰が実施しても同じ方法で、安全に実施できること」が看護手順の重要な役割です。
「看護手順」と「看護過程」、それぞれの意味や目的を整理して考えることができた人は、正解選択肢を選ぶことができたでしょう。優先順位をつけて行動することについても、その目的や意味を理解しておくことが大切です。
国試では、「何をするか」だけでなく、「なぜそれを行うのか」という目的や根拠も問われます。選択肢を選ぶときに「何となく」ではなく、根拠をもって選べるように、普段から「なぜ」を考える習慣をつけましょう。
状況設定問題の傾向:「実習経験」が点数につながる
一方で、状況設定問題は正答率が高い問題が多くみられました。これは、多くの受験生が実習を通して、患者さんをアセスメントする力をしっかりと身につけていたことを示しています。
前述の通り、近年の国試では、単純に知識を問う問題だけでなく、得た知識を活用して解くことが求められる問題が増えています。
そのため、国試対策と実習を切り離して考えるのではなく、日々の実習に真摯に取り組むようにしましょう。日頃から患者さんの状態や看護について根拠をもって考えることが、状況設定問題の得点力向上にもつながるのです。
【一般・状況設定問題】第116回の対策ポイント
第116回の一般・状況設定問題の対策として、まず優先して取り組んでほしいのは、「① 解剖生理」と「② 病態生理」です。
この2つをしっかりと理解できれば、知識は次のようにつながっていきます。
この「土台づくり」こそが、一般・状況設定問題の得点力向上への第一歩です。
【一般問題】第116回の予想問題にチャレンジ
第116回の一般問題で出題が予想される問題を3つ紹介します。振り返りに役立つ解説講義動画も用意していますので、ぜひチャレンジしてみてください。
問題1:関節リウマチで正しいのはどれか。
- リウマチ熱を生じる。
- 合併症は起こさない。
- 特定疾病に含まれる。
- 片側性の関節炎が生じる。
問題1の解説講義はこちら!
問題2:膵液について正しいのはどれか。
- 膵液のpHは弱アルカリ性である。
- セクレチンは膵液の分泌を抑制させる。
- ランゲルハンス島のB細胞から分泌される。
- 生成された膵液は十二指腸上行部に流入する。
- 膵液に含まれる酵素は脂肪分解酵素1種類のみである。
問題2の解説講義はこちら!
問題3:躁状態の患者にみられる特徴はどれか。
- 心気妄想
- 思考奪取
- 他人への無関心
- 睡眠時間の減少
問題3の解説講義はこちら!
攻略のカギは「知識を活用する力」
近年の一般・状況設定問題で合否を分けるのは、単なる知識量ではなく「覚えた知識を活用して根拠を導き出す力」です。
この力は、直前の詰め込みで身につくものではなく、日々の実習や日々の学習のなかで育てていくものです。「実習での経験から学ぶこと」や「過去問題を繰り返し解くこと」を通して、一歩ずつ確実に土台を築いていきましょう。
必修 編・おすすめ勉強もチェック!
今からできる!おすすめの国家試験対策
①まずは解剖生理の学習を!
まずは、疾患の「土台」となる解剖生理を、自分で簡単なイラストを描いて説明できるようになりましょう。どの領域から始めても構いません。「少し得意」や「少し好き」、そんな領域から取り組むのもおすすめです。
→解剖生理が分かれば病態生理が理解でき、病態生理が理解できれば看護につながります。このつながりを意識しましょう。
②実習経験とリンクさせる
実習で受けもつ患者さんと同じ疾患の過去問題には、優先的に取り組んでみましょう。実習期間中に過去問題の問題文を読んでおくだけでも、「重要な観察ポイント」「必要なアセスメント」「国試で問われやすい内容」などの視点を持つことができます。
→このように経験と知識を組み合わせることでアセスメント力が自然と身につき、さまざまな情報から看護につなげられるようになります。
③理由とセットで解答するクセづけをする
「これが正解っぽい」ではなく、「なぜこの選択肢が正解なのか」や「ほかの選択肢が誤りである理由は何か」を自分の言葉で説明する習慣をつけましょう。この習慣をつけることで得点アップにつながります。
【告知】さわ研究所からのお知らせ:おすすめ過去問題集をご紹介!
さわ研究所の黒本は、疾患ごとに過去問題を整理して学習できる問題集です。同じ疾患について過去にどのような内容が問われてきたのかを確認しながら学習できるため、繰り返し解くことで知識の整理や定着に役立ちます。
\ この記事をシェアする /


















