はっきりとした予兆もなく、患者さんが急変したり、重篤な疾患が進行していたりする経験があると思います。そのような急変に先立って、先輩の看護師や医師から「あの患者、何かヘンだよね」という直感的な台詞を聞いたことがあるかもしれません。
この連載では、急変前の「何かヘン」と感じる患者への直感的な違和感について解説し、急変を見抜く力を養います。
呼吸促進は全身状態の重要な指標
呼吸状態とホメオスタシスの深い関連
血中の酸素の減少、二酸化炭素の増加、pHの低下(アシドーシス)は重大なホメオスタシス(血液環境)の乱れです。
「生き残りシステム」は呼吸回数を増やして、このような乱れを正そうと「抵抗」します(酸素を増やそう、二酸化炭素を排泄しよう、pHを上昇させよう)。「抵抗」するためには深くて速い呼吸のほうが効率的ですが、一部の代謝性アシドーシスを除けば、実際には「浅くて速い呼吸」になることが多いようです。
全身状態が悪化しているときは、深い呼吸ができないくらい全身(呼吸筋)が消耗しているのかもしれません。
「動き」で捉える頻呼吸
呼吸回数の増加をみるときは、胸部~頸部~肩の過剰な「動き」に注意しましょう。はっきりした頻呼吸(30回/分以上)は、誰にでもわかる「危険なサイン」です。
一方で、浅くて速い呼吸は、その「動き」が小さいときは見逃されるかもしれません。「普通とは違う、微妙でせわしない頸部や胸部の動き」に注意しましょう。
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