佐藤まりこ
執筆者の記事一覧外国人患者さんに英語で対応できる? アメリカの医療現場で実際に使われている、患者さんにもすんなり伝わる簡単な医療英語をマスターしよう!
患者さんに一番近い存在の看護師は、「今日はどうされましたか?」から始め、症状を聞いて患者さんに起こっている健康問題の把握を行います。外国人の患者さんに対してもコミュニケーションを通して主観的情報を収集し、客観的情報と合わせて全身状態の把握が必要ですね。
そこで今回は、これだけは知っておきたい!症状の聴取に必要なフレーズを診療科に分けて紹介します。
最初の診療科は、呼吸器です。
症状の把握には、OLDCARTを用いて問診を行います。OLDCARTとは、Onset(発症)、Location(症状のある部位)、Duration(症状のある持続時間)、Character(症状の性質))、Aggravating/Alleviating factor(増悪/軽減要因)、Radiation(症状の広がり)、Timing (症状がいつ起こるのか) の頭文字をとった症状のアセスメントツールです。
前回に続き、以下の事例にそって呼吸器症状の把握に必要なフレーズを紹介します。
事例:60歳女性・1週間前から湿性咳嗽と鼻水が出現し、市販薬で様子を見ていたが改善しなかった。2~3日前から労作時の息切れと呼吸困難が出現し、右胸が痛くなりはじめたため来院した。
本日のフレーズ
「酸素の値を測りますね。パルスオキシメーターで指をはさみますね。これでどれくらい酸素が体にあるかわかります。94%です。 少し低いですね」
呼吸器症状のある患者さんには、パルスオキシメーターを使ってサチュレーションを測定し動脈血酸素飽和度を把握します。指をはさむだけで簡単に測定できますが、きちんと声掛けをしましょう。患者さんの中には、見慣れない医療機器に「what is it?」と興味津々で質問してくる方もいるかもしれません。
A Good Example – おすすめのフレーズ
Let me check your oxygen level. Let me go ahead and clip a pulse oximeter on your finger.
It shows how much oxygen is circulating in your body. It is 94%. It is slightly low.
「~を測ります」は、「let me check~」を使いました。
「酸素の値」とは、パルスオキシメーターが表示する動脈血酸素飽和度をパーセント(%)で表示した値です。医療者は、この値をSpO2やSATの記号を使ってカルテに記載します。
「パルスオキシメーターで指をはさみますね」は「clip a pulse oximeter on your finger」を使いました。
「clip」は、日本語でもお馴染みのはさむために使う「クリップ」です。
この文の前に「let me go ahead and 」がありますね。このフレーズは、会話でよく耳にするので加えています。「じゃあ」や「それじゃあ」など、会話の中で自然に出てくる表現ですので、あまり意味はありません。「let me go ahead and~」を自然に使いこなせると英語上級者といった感じでしょうか。
「これでどれくらい酸素が体にあるかわかります。」は、「It shows how much oxygen is circulating in your body」を使いました。「circulate」は、「回る、巡る」という意味です。ここでは、ヘモグロビンが酸素と結合し、全身に酸素を運搬するという生理機能を踏まえて「circurate」を使っています。
患者さんにパルスオキシメーターを使用して「what is it?」と質問されたことが何度もありました。
日本人に比べて外国の患者さんは、医療機器に興味津々で質問をしてくる方が多いように感じます。
「~がわかる」は、「it shows」を使いました。「show」は人にものを見せるときに使う単語ですが、「(何かを見て)わかる」というニュアンスでも使います。
「少し低いですね」は「slightly」を使いました。
「slightly」は、「少し」「わずか」という意味です。
サチュレーションの正常範囲は95%~100%です。94%はわずかに正常値を下回るので「slightly」を使いました。
「slight」は、「微熱(slight fever)」や「軽い頭痛(slight headache)」にも使います。
次回は、呼吸音の聴診に必要なフレーズを紹介します。
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