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症状の聴取を英語でするには?[消化器編26]のサムネイル画像
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外国人患者さんに英語で対応できる? アメリカの医療現場で実際に使われている、患者さんにもすんなり伝わる簡単な医療英語をマスターしよう!


患者さんに一番近い存在の看護師は、「今日はどうされました?」から始め、症状を聞いて患者さんに起こっている問題の把握を行います。外国人の患者さんに対してもコミュニケーションを通して主観的情報を収集し、客観的情報と合わせて全身状態を把握することが必要です。

今回は、胃の疾患:胃・十二指腸潰瘍の症状について紹介します。

胃潰瘍(stomach ulcer)・十二指腸潰瘍(duodenal ulcer)を総称して「消化性潰瘍(peptic ulcer)」といいます。
「peptic ulcer」は、食べ物を分解する胃酸や消化酵素といった胃粘膜を攻撃する力と、胃粘膜を保護する力のバランスが崩れて潰瘍(ulcer)ができる疾患です。
粘膜までの損傷を「びらん(erosion)」、粘膜を超えて筋層まで傷ついた状態を「潰瘍(ulcer)」といいます。
「stomach ulcer」は40~50歳代、「duodenal ulcer」は20~30歳代に多く発症する傾向があります。
近年どちらも減少傾向にありますが、再発しやすく、消化性潰瘍になりやすい人には日常生活や生活環境の改善を促すなど、教育的なかかわりや支援が必要になります。

以下の事例に沿って、Peptic ulcerの症状の把握に必要なフレーズを紹介します。


事例:35歳、男性
2週間前から、空腹時にキリキリと刺し込むようなお腹の痛みが出現する。夜間は痛みと嘔気で目が覚めて睡眠不足が続いていたが、仕事が忙しく市販の痛み止めを服用し様子をみていた。
1週間前から便の色が黒っぽくなり下痢が続くようになった。
今朝、数回コーヒー残渣様の吐物を嘔吐し痛みが悪化したため、消化器外来を受診する。
来院時、血圧100/63mmHg、脈拍110回/分、体温37.0℃、SpO2 97%、意識レベルクリア、NRS 5/10
2年前に胃潰瘍の既往があり、ピロリ菌陽性にて除去療法を施行している。最近、NSAIDsやアスピリン系の薬は使用していないが、仕事のストレスから飲酒と喫煙量は増えていた。
主訴には「お腹の痛みが強くなり数回吐いた」と記載されていた。


本日のフレーズ

「血をサラサラにするお薬や低用量のアスピリンは飲まれていませんか?
不整脈や心筋梗塞、脳梗塞など心臓や脳の病気をしたことはありませんか?」

消化管出血の可能性を疑う場合、休薬を検討する薬を飲んでいないか確認しましょう。
患者さんの中には、自分が何の薬を飲んでいるか把握していない人も少なくありません。既往歴を確認することで、飲んでいる薬の予測ができ、見逃したくない薬の情報を得ることができます。

さて、みなさんはどう英語で表現しますか?

おススメのフレーズ

Are you taking blood thinners or daily aspirin?
Have you ever had any heart or brain disease such as irregular heartbeat, heart attack, or stroke?

「血をサラサラにするお薬や低用量のアスピリンは飲まれていませんか?」は、「are you taking blood thinners or daily aspirin?」を使いました。
「are you on blood thinners or daily aspirin?」に置き換えてもいいでしょう。
「血をサラサラにする薬」は「blood thinner」です。
「blood thinner」には、抗血小板薬(anti-platelet)と抗凝固薬(anti-coagulant)が含まれます。
血栓の形成を抑えて心筋梗塞などのリスクを軽減する一方で、出血のリスクが高まるため病態に応じて休薬などが検討されます。

blood thinnersに限らずどの薬も、海外のものとは製品名が異なったり、カタカナ英語では通じないというケースがあります。

海外でよく使われている代表的なBlood thinnersの製品名と発音をまとめました。

•「Eliquis®」-日本での製品名は「エリキュース®」。「エリクィス」が英語に近い発音です。
•「Pradaxa®」-日本での製品名は「プラザキサ®」。「プラダァキサ」が英語に近い発音です。
•「Xaelto®」-日本での製品名は「イグザレルト®」。「ゼェロト」が英語に近い発音です。
•「savaysa®」-日本での製品名は「リクシアナ®」。「サヴェイサ」が英語に近い発音です。

「低用量のアスピリン」は「daily aspirin」を使いました。
直訳すると「低用量のアスピリン」は「low-dose aspirin」です。
心筋梗塞などを予防する目的で低用量のアスピリンを服用することを「daily aspirin therapy」といいます。「daily aspirin therapy」は現在もなお、その有効性と脳出血などのリスクについて議論が続いています。

「不整脈や心筋梗塞、脳梗塞など心臓や脳の病気をしたことはありませんか?」は「have you ever had any heart or brain diseases such as irregular heartbeat, heart attack, or stroke?」を使いました。
「irregular heartbeats」は、特に「心房細動(arterial fibrillation: af)」の有無に注目します。
他にも深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)や肺塞栓症(pulmonary embolism: PE)の治療にblood thinnerが使われます。


次回は、確認すべき既往歴とNSAIDs服用の有無について尋ねるフレーズを紹介します。

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