血清の電解質濃度を調べる際に、Na(ナトリウム)、K(カリウム)とともにセットで測定されるCl(クロール)濃度。皆さんはこのClについて、どれだけのことを知っているでしょうか?
「いつも採血項目に入っているけれど、何のために測っているのかわからない」という人も多いでしょう。頻繁に話題にのぼる陽イオンの裏側で活躍する、Clを中心とした陰イオンの世界を覗いてみましょう。
細胞外液の主要イオンとしてのCl
体液にはプラスの電荷を持った陽イオン(カチオン)と、マイナスの電荷を持った陰イオン(アニオン)がほぼ同数存在して、電気的な中性を保っています。陽イオンも陰イオンも、いくつもの種類からなっており、細胞の内外でその組成が大きく異なります(図1)。

図1 細胞外液と細胞内液のイオン組成
通常の採血検査で測定されるのは血漿、つまり細胞外液の一種であり、「私たちの体は食塩水のようなもの」などと一般に言われるときは、この細胞外液を指しています。食塩(塩化ナトリウム)は、その名前や化学式(NaCl)が示すとおり、Na+(ナトリウムイオン)とCl-(クロールイオン)が結合したものです(図2)。

図2 Clは食塩の「半分」を担う元素
実際の細胞外液においても、Clイオンは量(個数)で見る限りは陰イオンの主役であり、Naと双璧をなす存在です(以下、イオンの電荷を表す+・-を適宜省略します)。
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