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症状の聴取を英語でするには?[循環器科編77]のサムネイル画像
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外国人患者さんに英語で対応できる? アメリカの医療現場で実際に使われている、患者さんにもすんなり伝わる簡単な医療英語をマスターしよう!


患者さんに一番近い存在の看護師は、「今日はどうされましたか?」から始め、症状を聞いて患者さんに起こっている健康問題の把握を行います。外国人の患者さんに対してもコミュニケーションを通して主観的情報を収集し、客観的情報と合わせて全身状態の把握が必要ですね。
今回は、心不全の症状の聴取に必要なフレーズを紹介します。

心不全(heart failure)とは、心臓のポンプ機能が低下して、全身に血液を送り出すことができなくなった結果、息切れ、呼吸困難、むくみなどの症状が出現した状態をいいます。
心不全はきちんと治療をしないと、再発を繰り返し、徐々に進行して重篤化します。医療従事者だけではなく、患者さん本人やご家族が、病気をきちんと理解し治療に参加することが大切です。
心不全の治療法は、①症状を軽くする治療、②心不全の原因を治す治療、③心筋や血管を保護する治療、④生活指導の介入など心不全悪化のきっかけを取り除く治療、の4つに分類されます。
看護師は、OLDCARTに沿った心不全症状のアセスメントを行い、迅速な状態把握と全身観察に努めます。
今回は、以下の事例に沿って心不全の把握に必要なフレーズを紹介します。


事例:75 歳・男性
既往歴は、心筋梗塞・高血圧 ・2型糖尿病・心房細動があり、循環器外来を定期受診している。
手術歴は、1年前に冠動脈バイパス術(CABG)を施行している。
1カ月前から階段歩行などの労作時に呼吸苦や息切れ・動悸が出現する。安静にすると症状は治まり、夜もしっかり眠れたため様子をみていた。
1週間前から、全身倦怠感と息切れがひどくなり、昼夜問わず泡沫状の咳と痰が出て、横になって眠ることができなくなった。顔や手足にはむくみが出現し、ここ1週間で体重が3kg増えたため、かかりつけ医を受診する。
来院時、意識レベルクリア、血圧160/115mmHg、 脈94回/分、体温36.4℃、呼吸26 /分、SpO293%
主訴には「1カ月前から動くと息が切れて苦しい、最近は咳がひどくてあまり眠れない」と記載されていた。


本日のフレーズ

「1カ月前から息が苦しいんですね。どんなときにその症状がありますか?
例えば、階段を上ったり下りたりしているときやシャワーを浴びているとき、家事をしているとき、それとも安静にしていても息苦しいですか?」

まずは、主訴の呼吸苦についてもう少し詳しい症状の程度を把握していきましょう。

さて、みなさんはどう英語で表現しますか?


*OLDCARTとは、Onset(発症)、Location(症状のある部位)、Duration(症状のある持続時間)、Character(症状の性質)、Aggravating/Alleviating factor(増悪・軽減要因)、Radiation(症状の広がり)、Timing(症状がいつ起こるのか)の頭文字をとった症状のアセスメントツールです。

オススメのフレーズ

You have experienced episodes of shortness of breath and trouble breathing in the past month, correct?
When do you have these symptoms? For example, when walking up and down stairs, taking a shower, doing housework or even being at rest?

「1カ月前から息が切れて苦しいんですね」は、「You have experienced episodes of shortness of breath and trouble breathing in the past month, correct?」を使いました。
「episode」は、「出来事」やTVの連続ドラマ第1話や第2話の放送分という意味で使われますが、医療の分野では、「症状」や「発作」という意味で使います。

「息が切れて苦しい」は、「息切れ」と「息が苦しい」の2つに分けました。
「息切れ」は「shortness of breath(SOB)」、「息が苦しい」は「trouble breathing」を使いました。
ほかにも「息切れ」は、「out of breath」「breathlessness」、「呼吸が苦しい」は、「difficult breathing」「being unable to take a full breath」「being unable to catch a breath」などさまざまな表現があります。

「どんなときにその症状がありますか?」は「when do you have the symptoms?」を使いました。
「for example」を使って例を挙げ、労作時または安静時の呼吸困難の症状であるかを確認します。

労作時呼吸困難の例は以下を挙げました。
「階段を上ったり下りたりする」は「walking up and down stairs」を使いました。
「climbing stairs」に置き換えてもいいでしょう。
また、短い階段ではなく、地下鉄などのような長い階段を上るときには「walking up a long flight of stairs」といういい方もあります。「a flight of」は「続いている」という意味です。
「シャワーを浴びている」は「taking a shower」を使いました。
「家事をしている」は「doing housework」を使いました。

患者さんが75歳男性であることを考慮し、「庭仕事をしているとき(doing yard work)」や「犬の散歩をしているとき(taking a dog for a walk)」などを加えてもいいでしょう。

「安静にしているとき」は「being at rest」を使いました。

事例の患者さんは、1カ月前は労作時の呼吸困難でしたが、最近になって安静時にも呼吸困難の症状がみられるようです。患者さんからはこんな答えが返ってくるでしょう。

●I sometimes had difficulty breathing when walking up a long flight of stairs like subway, but recently I have had increased breathlessness. It is hard to carry out everyday activities.
(地下鉄のような長い階段を上ったりすると息が苦しくなることはたまにあったけど、最近は息が切れることが多くなった。毎日やっていることをするのも大変です)

●It is hard to breathe even while doing nothing. I often get up the middle of the night to catch my breath.
(何もしていなくても息がしづらいです。夜中に息が苦しくて目が覚めることがけっこうあります)


次回は、息切れ以外の左心不全を疑う症状の有無について尋ねるフレーズを紹介します。

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