
野原 幹司(のはら かんじ)
監修者の記事一覧日々の看護のなかで、「本当にあれでよかったの?」と、ジレンマを感じることは多いもの。そんな看護場面には、倫理的な問題がひそんでいることがあります。
しかし倫理的な問題に気づいてジレンマを解消するには、ちょっとした訓練が必要です。そこで本連載では、ケーススタディを通して、看護倫理について一緒に考えていきましょう。
今回のケース
体位変換したら「夜中に起こすから眠れない」と怒られてしまった・・・
田中さんは、1カ月前から風邪をひき、38度台の発熱に加え、咳、痰が激しくなり、近医を受診しました。内服治療を受けていましたが、次第に食欲がなくなり、ADLが低下。食事や水分の摂取が難しくなり、脱水症で緊急入院となりました。
入院時は、意識はあるものの、発熱と呼吸困難の影響で自力では体の向きを変えることもできない状態でした。さっそく輸液と酸素吸入を開始し、尿道カテーテルを留置。看護師は、自分では動けない田中さんのために、セルフケアの補助を目的に、「ベッド上生活の援助や清潔、褥瘡予防のための体位変換」をケアプランとして立案しました。
入院4日目になり、田中さんの熱も下がって呼吸状態が改善し、食事もベッドアップで準備すれば、一人で摂取できるようになりました。ただし、まだ自力での座位の保持が難しかったため、ベッド上での座位保持と車椅子への移動訓練をケアに追加しました。
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