【重要】WEBサイトのリニューアルとドメイン変更のお知らせ

R-ASRM分類のサムネイル画像
解説
成澤妹子のプロフィール画像

成澤妹子

昭和大学歯科病院 看護師

解説者の記事一覧

R-ASRM分類は何を判断するもの?

R-ASRM分類は、子宮内膜症の病変の大きさと癒着の範囲によって、進行度を分類するためのスケールです。

以前は、子宮内膜症を内診所見によって分類するBeecham分類が主流でしたが、腹腔鏡検査が普及してからは、腹腔鏡検査の所見に基づいてスケーリングを行うR-ASRM分類が広く用いられています。

子宮内膜症は月経痛、骨盤痛、性交通、排便痛などの症状を引き起こすだけでなく、不妊症の原因にもなりますが、R-ASRM分類には痛みに関する評価項目はなく、R-ASRM分類による進行度と妊娠率に相関はみられないとの指摘もあります1)。そのため近年では、Enzian 分類やEFIといった、R-ASRM分類の欠点を補うようなスケールが開発・提唱され、臨床でも活用されるようになってきています。

R-ASRM分類はこう使う!

R-ASRM分類では、腹膜と卵巣病巣の大きさ、卵巣と卵管の癒着の程度、Douglas(ダグラス)窩閉鎖の有無をそれぞれスケーリングし、合計点によって進行度をⅠ~Ⅳ期に分類します(表)。1~5点はⅠ期(minimal 微小)、6~15点はⅡ期(mild 軽症)、16~40点はⅢ期(moderate 中等症)、41点以上はⅣ期(severe 重症)とします。

腹腔鏡検査の普及により、子宮内膜症の進行度や重症度評価の正確性は以前に比べて高まっており、R-ASRM分類も患者さんの状態を把握するうえで役立っています。

表 R-ASRM分類

病巣~1cm1~3cm3cm~points
腹膜表在性124
深在性246
卵巣表在性124
深在性41620
表在性124
深在性41620
癒着~1/31/3~2/32/3~points
卵巣フィルム様124
強固4816
フィルム様124
強固4816
卵管フィルム様124
強固4816
フィルム様124
強固4816
Douglas窩閉鎖一部4
完全40

* 卵管采が完全に閉塞している場合は16点とする

American Society for Reproductive Medicine:Revised American Society for Reproductive Medicine classification of endometriosis: 1996.Fertil Steril 1997;67(5):819.より引用

R-ASRM分類の結果を看護に活かす!

子宮内膜症は、月経時に強い下腹部痛を引き起こすだけでなく、不妊症の原因となる疾患でもあります。子宮内膜症の患者さんの看護では、R-ASRM分類による進行度を把握し、状態観察の頻度などを考慮したうえでケアを行うようにしましょう。

また、R-ASRM分類は痛みの評価に関する項目は含まれないため、患者さんからの訴えを注意深く確認し、自覚症状の悪化などが認められる場合は速やかに医師に報告します。

前述したように、R-ASRM分類は必ずしも妊娠率と相関するわけではありませんが1)、挙児を希望している患者さんで進行度が高い場合は、自然妊娠が難しい可能性も考えられるため、精神面での手厚いサポートを心がけ、安心して治療が受けられるように配慮できるとよいでしょう。

引用・参考文献

\ この記事をシェアする /

この記事に関連する記事