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第4回 想像が創造につながる 看護はクリエイティブな職業【医療法人蒼龍会 武蔵嵐山病院 看護部長】のサムネイル画像
取材

看護師を志したきっかけ

実はこれといったきっかけがあるわけじゃないんですよ。母が教師をしていた影響で、私も教師になりたいな~って思ってたんです。それで教員学校を目指していたのですが、ひょんなことから受けた看護学校に合格したんです。

結局、教員学校は受験せず、そのまま看護学校へ進学しました。看護師を目指していたわけではないのに、こうして看護師を続けてこられたのは、人に恵まれていたからとしか言いようがありません。看護学校の恩師に「そんな甘い考えじゃダメよ」と叱られた苦い思い出も、いまでは自分の糧として生き続けています。

なんとなく看護師をしていた私の転機となったのは、勤めて間もない頃に母から送られた、一首の短歌です。

『一滴が 命の中に 沈みゆく 点滴なれば 責めの大きを』

はじめは何だかピンとこないまま、5、6年が過ぎたでしょうか。病院の仕事にも慣れ、30歳を目前に控えたあるとき、ハッと気付いたんです。ここには「看護師の仕事は、患者さんの命を預かる責任のある仕事です。心してかかりなさい」、という母の強いメッセージが込められているんだと。今ではすっかり私の座右の銘になりました。

自身の看護観

私はあえて、看護師をクリエイターと呼ばせていただきます。生を受け、老い、そして死ぬ。人間のライフサイクル全般に、私たち看護師が介入していくわけです。そこには必ず目的があり、同時に、その目的を達成するためには「どういう処置をすれば良いのか」という想像力も求められます。

例えば、熱を下げるために点滴を打つことや、褥瘡を治すために体位を変えることもそうです。

「想像が創造(目的の達成)に繋がる」

看護師って、なんてクリエイティブな職業なんでしょう。人のライフサイクルに目的を持って介入するという点では、「人を教育する」教師も同様ですね。若い頃はまったく意識していませんでしたが、私が看護の道に進んだのも自然な成り行きだったのかなぁ、と今は思います。

武蔵嵐山病院のこだわり

武蔵嵐山病院では、2008年4月に現在の病院長が就任したのを機に、病院のイノベーション(改革)を活発に行ってきました。特に重点を置いているのがリハビリテーションの充実です。ケアミックスである当院には元来、急性期病棟と長期療養病棟がありましたが、新たに回復期リハビリテーション病棟を開設しました。準備期間を含めると約1年半が経ちます。その間に病床数は22床から60床まで増床され、今では病院全体がリハビリテーションの場となっています。

よく、入院すると身体機能が落ちると言われますが、そういったことをなくしていきたいですね。少しずつですが結果も出始めています。

廃用症候群(使わない筋力が衰え、寝たきりになってしまうこと)を伴って大学病院から転院してきた、50代の患者さんがいました。「なんとか座れるように」を目標に、リハビリスタッフが積極的に介入し、1年を過ぎた頃でしょうか。車椅子に座れれば、自分で移動が出来るまで回復しました。体の向きさえ自分で変えられなかった方が、ですよ。彼の世界はどれだけ広がったことでしょう!

将来的には、当院のもう一つの特徴である、透析治療とリハビリテーションの融合を考えています。「武蔵嵐山病院の魅力を最大限に活かしていこう」、これが当院のこれからの目標だと考えています。

ともに働きたい看護師の人物像

朝、「おはよう」とカーテンを開けて空気を入れ換える看護師がいる一方で、一日中閉め切りのままでも気付かない看護師がいるとしますね。後者の場合、患者さんはストレスを感じますし、私なら余計病状が悪化してしまいます。

母の短歌にあるように、環境のストレスも命に関わる大きな『一滴』なのです。看護学校でいくら優秀な成績を収めた看護師であっても、それだけではダメなんです。「人間を看る」とは、一概に「こうすれば良い」とは言えない難しい部分なのです。だから私は、看護以前に、その方の感性を大切に見ていきたいし、それを磨くために努力している方が素敵だと思います。

看護師として働く方へのメッセージ

私はここで、「専門的な知識や技術を磨きましょう」などと言うつもりはありません。なぜなら、プロとしてそれは当たり前のことだからです。患者さんに喜んでもらうためには何をすれば良いか、前述したように、まずは自らの感性を磨きましょう!って、私は言いたいですね。

「桜が咲いている」とか「夕焼けがまぶしい」とか何でも良いのですが、キレイなものをキレイと感じることこそが感性です。「忙しい、忙しい」と言って、つい見落としてしまってはいないでしょうか? 仕事に一生懸命なのは素晴らしいことです。

ただ、たまには仕事を忘れていろんな方面に目を向けてみることも必要です。患者さんとのコミュニケーションが円滑になり、きっと仕事のモチベーションアップにも繋がると思いますよ。

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